「生きる」
乙川優三郎
文藝春秋
関ケ原の戦いで敗軍となり浪人となった父が北国の地で食禄を得、以来石田家は藩主飛騨守の恩顧に報いるべく又右衛門もまた忠勤に励み家を大きくしてきた。しかし二年ほど病臥している藩主が身まかった折りには、寵臣の一人として殉死して忠義と悲しみを形に表さなければならぬと思っていた。そんな折り梶谷筆頭家老から呼び出しがあり、追い腹禁止令を出すこと、そして小野寺・石田二人の寵臣はそれを守ることを誓約をさせられる。
やがて藩主が身まかったが禁を犯しても追い腹を切る者が続出、禁を守る誓約した二人も周囲の冷たい目に徐々に追い詰められていく。主人公の苦悩が読者にも迫ってくる作品。
他二作が収録されており、いずれも秀作です。「生きる」は直木賞受賞作。
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