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「ふたつめの月」

ふたつめの月「ふたつめの月」
近藤史恵
文藝春秋

 近藤作品「賢者はベンチで思索する」の続編で前作同様主人公は久里子、そして前作の賢者(?)国枝さんは本名の赤坂さんとなって登場する。久里子は服飾雑貨の輸入会社に就職し仕事にやりがいも感じ始めていたところに上司からリストラを言い渡されてしまう。落ち込んで両親にも話せず職探しにも踏み出せず毎日出勤のふりをして家を出る毎日。そんな中、元職場の同僚から久里子の離職が自らの意思であったかのように扱われている言われ不信感が膨らみ始める。行方不明だった赤坂老人にも偶然再会でき、この作品でも時々会う赤坂の言葉に救われ自身の悩みが解消されていく。料理修行のためイタリアに渡った弓田譲との関係の推移も楽しみ。

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9月の読書メーター

9月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1627
ナイス数:4

森の赤鬼 C.W.ニコルの軌跡森の赤鬼 C.W.ニコルの軌跡
読了日:09月22日 著者:北沢彰利

 


「また、必ず会おう」と誰もが言った。「また、必ず会おう」と誰もが言った。
読了日:09月20日 著者:喜多川 泰

 


ふたつめの月 (文春文庫 こ 34-4)ふたつめの月 (文春文庫 こ 34-4)
読了日:09月16日 著者:近藤 史恵

 


賢者はベンチで思索する賢者はベンチで思索する感想
21歳の七瀬久里子は服飾関係の専門学校を卒業しながら不本意にもファミリーレストラン「ロンド」でアルバイト生活。自身の未来や引きこもり気味の弟に漠然とした不安を抱え、公園で慣れないタバコを吸おうとしていたところをロンドの常連客:国枝に声かけられる。彼は店が暇なとき持参した古い新聞とコーヒー一杯で長時間を過ごす惚けも疑われるような老人だが、公園で会う時は別人のようで久里子の話を聞いてくれるようになる。国枝の何かしらの一言が久里子の抱える不安を晴らしていく。久里子と国枝老人の心温まるつながりが心地よいお話。
読了日:09月09日 著者:近藤 史恵

札幌誕生札幌誕生
読了日:09月05日 著者:門井 慶喜

読書メーター

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