環境教育シンポジウム

「山梨県環境教育シンポジウム」
8月21日(木)13:00~16:15
甲府市総合市民会館 芸術ホール

があり、聞いてきました。プログラムは以下の通りです。

1 開会
2 主催者あいさつ
3 基調講演 C.W.ニコル氏「森が教えてくれること」

4 パネルディスカッション「次世代のための環境教育の提案」

パネリスト

C.W.ニコル氏
尾見康博氏(山梨大学大学院教育学研究科教授)
鈴木義光氏(環境省総合環境政策局環境教育推進室長)
堀内一義氏(山梨県富士山科学研究所環境教育・交流部主幹)

コーディネーター

増田直広氏(公益財団法人キープ協会環境教育事業部長)

5 やまなし環境教育等推進行動計画の紹介
6 閉会

 今回の売りは何といってもC.W.ニコル氏でしょう。パネルディスカッションのパネリストでもありました。
ニコル氏の講演は以前にも聞いたことがありますが、今回も氏が管理している「アフィンの森」の美しい映像を見せながらのニコルさんならではの世界を聞かせてただきました。最後には東北・被災地:宮城での「森の学校」開校への取り組み、これも映像つきで紹介されました。

パネルディスカッションは、まずパネリスト3氏が15分程度のお話をし、休憩を挟んで後半は聴衆側からの質問に答える形で行われました。質問は前半の話を聞いて休憩時間に質問用紙に記入したものを集めて、それに答えるというものでした。
鈴木氏のお話の中では、今年11月にESD世界会議が名古屋で開催されるが国民にあまり知られていない、啓発が課題といった内容が中心だったかな。私はこの世界会議の存在は全く知らず、さらにはESDということ自体を知りませんでした。みなさんはご存じですかESD。これは、「持続可能な開発のための教育」(Education for Sustainable Development)の略称です。コーディネーターから「知らなかった方?」と問いかけがありましたが大半の方は私同様でした。
尾見氏、プレゼンテーションの冒頭に「趣味としての環境教育」とうたっていました。「過剰に禁欲的なことを他者に要請するのはいかがか?」、「環境教育の多くは最後には『各人の意識が大事』と結論づけるが、そこに息苦しさを感じる」。「エコを趣味と考えたら、趣味は楽しいし他人に押しつけない、途中でやめてもまた再び始めてもよい」といったこと。
堀内氏、所属の富士山科学研究所の紹介からはいり、世界遺産に登録された富士山についての「富士山学習」を推進していること、学校の先生の多忙なことを考慮しつつ学校から依頼しやすい工夫のことなどが紹介されました。

以下後半部分の記憶に残っていることばなどを羅列します。

  • 「自然を良くしながら人が自然(森)に入る」ように。
  • 「エコツーリズムには感動・感謝がなければ・・・・。そして落としていった金が地元のためになること。」
  • 鹿による農業への食害について、
  • 「頭数調査→捕獲しよい頭数の把握→若いハンター養成→捕獲した鹿は食肉・印伝に」
  • 米国ではプロジェクト型の教育を中心に行っている。逆に暗記の知識は乏しい。環境教育はプロジェクト型の教育、皆さん暗記物が捨てられますか?『(環境教育なんかやっても)試験に出ない、受験に役立たない』という批判にあがらうことができますか?
  • 「下草狩りのボランティアを行っているが、周囲に理解してもらえない。」に。趣味と考えれば、趣味なんだから他人はどうであっても続けられる、仲間を増やすことにあまり執着しない方がよいのでは。
  • 環境教育ボランティアを活用してもらうためには、「ここへ相談すればよいという窓口をつくることの重要性」

このシンポジウム、少々迷いはしましたが、やはり「来てよかったな」と充実感の残る時間でした。コーディネータの増田氏、自然体験型の環境教育を組織的に実践しておられるのにこの方のお話をあまり聞けなかったのが残念でした。

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