日別アーカイブ: 2006年5月13日

南高OB その2

 練習における先生の話の中で、この合唱団の話は度々登場した。自分たちの合唱にもかなりの満足感があったためか、私の場合はこの団体への関心は特にもたなかった。しかし、この時期から関心を寄せ、先生から録音をコピーしていただいた団員Sさんがいた。わたしもこの方からコピーさせていただき、よく聴いた。Aさんが山形に聴きに行った1972年の演奏会、それからはるかにさかのぼる1963年の演奏会のものである。72年はステレオ録音、63年はモノラル録音であり、当時はどちらかというと72年の録音を主に聴いていた。特によく聴いて記憶に残っている曲としては、72年の「I’ve got six pence」や63年の「どんぐりころころ」などのリズム感あふれる演奏だった。これらの録音には私たちの合唱と共通するものを感じながらも、この時期の私は南高OBに特別強い印象を持っていたわけではない。

酸素ビジネス

    街角で酸素補給
    セブンイレブン 酸素市場参入
 これは今日の毎日新聞経済面にあった記事の見出しだ。いま巷では「酸素バー」というのがはやっているそうだ。これは街角で高濃度の酸素を吸入できる店で、高濃度の酸素により「爽快感」が得られるのだという。このブームに乗じて、セブンイレブンでは酸素スプレーを売り出すのだという。1缶で1回2秒の吸入が35回でき、1日5~6回の使用なら1週間使えるのだそうだ。2種類の香りがあり、1本600円。
 以前テレビで、高濃度の酸素中に放された鳥か何かの映像を見たことがある。酸素がたくさん得られるのだから、その容器(部屋)の中でものすごい勢いで飛び回り、そして短時間で死んでしまった。高濃度酸素による爽快感は、長い時間の生活を凝縮した形でもたらされるのかも知れない。
 「爽快感」を得るために、金を出して酸素を買う。この酸素スプレーも人間の快適さを求める欲望の産物だ。一時的な爽快感のために600円、これは決して高い買い物ではない。しかし、この600円の商品を作り出すためにどんなものが必要となったのか、どんなにエネルギーを費やしたのか考えてしまう。これは決して600円という金額で片づけられるものではないのではないか。しかしよく考えると「エアコン」をはじめとして、私たちの爽快感を得るための先輩格の産物もたくさんある。だから酸素スプレーだけ批判しても始まらない。私もそんな数々の産物の恩恵を受けている一人であり、全てを否定するわけではない。しかし、物理的なことで得る爽快感よりも、人間らしいもっと本質的なところでよろこびを見いだす、そんなことを目指すような生き方に私たちは変わっていくべきなのだろうと思ってしまう。