北杜市の鏝絵、ネットで見ると津金と小淵沢は多くが紹介されていますが両者に挟まれた高根町でもいくつかの鏝絵が発見できます。私の知る範囲の32ヵ所を紹介します。
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下黒沢1
「波に鶴」、須玉ではあまり見かけない作者でしょうか。壁が黄土色に塗られているところを見ると、戦前の作品?
下黒沢2
色彩を用いない大黒様。あまり見かけない雰囲気です。
五町田1
「波に日の丸扇」
五町田2
やはり「波に日の丸扇」。先ほどの蔵とすぐ近くにあります。ほぼ同じデザイン、同じ職人さんの作と思われます。見比べると波の雫があったり、若干の違いはあるようです。
五町田3
龍の絵文字です。遠くからの撮影でピントが甘いかな。
五町田4
「波に千鳥」。大きな蔵でした。
五町田5
丑鼻に絵柄はありませんが、ハチマキには草色に配色された綺麗な若葉が描かれています。
小池1
「杯に亀」、珍しい絵柄です。亀の甲羅が下地から浮き上がっているのがわかります。
小池2
これも「松に鷹」。でも構図も色合いも今まで見てきたものとは趣が違い、松の葉の描き方も独特です。
蔵原1
ひとつの蔵両側に鏝絵、一方は屋根が二段構造で上が竜、下が亀。いずれもモノクロデザイン。他方はカラーの大黒様。鏝で盛り上げたというよりは平たい色板のパーツを貼り付けていったような雰囲気です。
蔵原2
絵柄ではなく家紋だと思うのですが、その中に鈎十時がはいっているのは珍しいですね。
蔵原3
つり上げた鯛を抱えた恵比寿様。青を基本にした色使いがきれいです。
蔵原4
俵の上に座った大黒様、でも俵はよくわかりませんね。茅野市笹原に見られるものとは趣が違います。
蔵原5
「松に鷹」、羽ばたこうとしているような羽を広げたこの構図、この職人さんの作品はたくさんあるようです。
箕輪1
「松に鷹」
箕輪2
この図柄は何でしょう?左下は波立っている模様のように思えるのですが、右上は?
箕輪3
モノクロでシンプルな亀
箕輪4
「松に鷹」、鷹は箕輪1と左右対称の構図。同じ作者のように思いますが羽の様子、顔つき、松の葉など一段と技が磨かれているように感じます。
箕輪5
これは龍の象形文字でしょうか?二つの蔵が並ぶ家、何てリッチ!
箕輪6
「松に鷹」。こちらは蔵原5鷹の羽の開き方、松の枝振りなど全く同じ図案。同じ職人さんのしごとでしょうね。
箕輪7
「松に鷹」。蔵印のところが円形でなく扇形です。このお宅は御主人が器用な方で、この鏝絵も自らの手によるのではないか、と近所の方から伺いました。
村山東割1
これも「松に鷹」、でも雰囲気が違います。蔵印の部分が大きく、実物は存在感があります。
箕輪新町1
「松に鷹」。筆で画いたような雰囲気、これまでにない作者でしょうか。道路からは植木の間からかろうじて見ることが出来ます。
箕輪新町2
これも今までにないタッチの鶴
東井出1
花が咲いたミョウガが2本、家紋でしょうか。
東井出2
龍の絵文字はいくつか見掛けていますが、これはまた今までにない描き方。
東井出3
白いのは「桜か梅の花か?」とも思ったのですが、どうやら松の葉。他では見掛けない雰囲気の「松に鷹」です。
長沢1
今までにない「大黒様」。道路からかろうじて撮ることが出来ました。
長沢2
米俵の上に座るのではなく、もたれかかっているような「大黒様」
長沢3
こちらはまた立派なお蔵です、地域の有力者だったのでしょうか。道路沿いに南北に長く中央が庭に入る入り口、その上には家紋が周囲に装飾を施して描かれています。
南北両側に鏝絵、南側は波際の亀、北側は松に鷹。
浅川1
津金を北に登っていくと石仏群で有名な海岸寺がありますが、さらに上り詰め峠を越えると高根町浅川部落に出ます。ここにも鏝絵を2点見ることが出来ます。
こちらは鋭い目つきの鷹、とまっている木は松でしょうね。
浅川2
こちらは壁に傷みも見え古いもののようですが、控えめな配色のでもいい大黒様。