八ヶ岳エコーラインを山梨県側から北上し原村を過ぎたところで槻木大橋という500mほどの長い橋を渡りますが、この橋の下の柳川沿いに泉野の槻木という地区があります。ちょうど橋のあたりを境に上流側が上槻木、下流側が下槻木と別れ、両地区合わせて18ヶ所と狭い範囲に魅力的な鏝絵が密度濃く見られます。
下槻木1
ブルーの上衣、茶色の袴と珍しい色の組み合わせの「大黒様」。道路からは奥まったところにあり、遠くからしか見ることが出来ないのが残念。
下槻木2
「鶴と亀」。波打ち際の岩場の亀がよく描かれていて、砕ける波も勇壮。いわばのひょうげんも独特です。
下槻木3
丁寧に描かれた「大黒様」。ブルーの濃淡を使って衣や袋の起伏をよく表現しています。
下槻木4
これもまた質の高い「大黒様」。今度は黄色の濃淡を使っての上衣。顔の表情もよく描かれています。
下槻木5
これは鏝絵ではないのですが珍しいので紹介します。左官さんではなく大工さんの作品なのでしょうか。こちらの面は鶴、そして反対面には亀が配されていました。
下槻木6
頭、背や腹の鱗、足の爪ので実によく精緻に描かれた「龍」。金の玉は漆喰ではなく埋め込んだものでしょうか。
下槻木7
「鶴と亀」。わずかに着色してあったように感じます。色具合からは古いもののように感じますが、これもなかなかの作品。
下槻木8
丑鼻の波の中に描かれているのは「武田菱」?ハチマキ部分にも白漆喰で鶴が描き込まれています。
下槻木9
妻壁の「鶴」と「亀」が綺麗です。
下槻木10
波間の「亀と鶴」。新しい作品らしく色鮮やかです。
上槻木1
日本画を思わせるような色合いの「大黒様」。
上槻木2
見たことのない表情の「大黒様」。こんな人、いるよね。
上槻木3
上のハナブカには亀が描かれています。丑鼻に描かれているのは何でしょう?
上槻木4
風変わりなデザインの「鶴・亀」。中央の円形部分は家紋でしょうか?
上槻木5
色使いもデザインもシンプル。こんな鏝絵にも親しみを感じます。
上槻木6
丑鼻はもちろん、虹梁など各所にこだわり満載の蔵。窓枠を支える「恵比寿・大黒」は可愛らしい。
上槻木7
こちらはまだ若い左官さんかな?
上槻木8
波の上にいるのは、これも千鳥といういのでしょうか。古い蔵で白漆喰が剥げ落ちてしまいましたが、鏝絵だけはこのように残っていて嬉しい。