何年か前、NHKのローカル番組で北杜市の鏝絵について紹介していた事がありました。その場所は武川町と須玉町の津金、しかし武川町の鏝絵はなかなか見つかりませんでした。国道に沿った集落で僅か3件ほど見つかったのですが、NHKでの紹介では数多くありそうな様子でした。地元の方に聞いてもなかなかわからなかったのですが、最近知り合った方が教えてくれました。「柳沢にあるよ」と。そして確認できました、柳沢だけで7件。昭和30年代の大災害に見舞われた武川町ですが、よくこれだけ残っていてくれました。あの災害以前にはもっと広い範囲に分布していたのかもしれません。
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宮脇1
国道20号を韮﨑から武川に入ってすぐ右手の部落:宮脇に1件だけありました。これは「チョウ」でしょうか。
三吹1
大武川を渡って、国道左から右へと交差する旧道沿いにあるのが三吹集落。ここにもありました、デザインも色合いもやさしい雰囲気ですが木の枝についた葉の様子、くちばしの曲がっていることから「松に鷹」でしょうね。特徴的な作品です。
三吹2
紐で口を結わえたお宝袋でしょうか?これも古さを感じさせる作品です。
柳沢1
ここからは柳沢集落の鏝絵。国道の牧ノ原交差点を入り大武川沿いに県道をすすむと柳沢集落にでます。これはその県道沿いで初めて見つけられる鶴の鏝絵。
柳沢2
さらに進むとすぐのところにある鏝絵。彩色された藤の家紋、はじめてみました。丑鼻の下の窓枠には鳩が二羽とまっています。
柳沢3
これも県道沿い、母屋はなく朽ちかけた蔵だけがとり残されてしまった感じ。でも鷹が力強く描かれた丑鼻部分の面はしっかり残っています。
柳沢4
宮脇で見つけたものと同じデザインの作品です。確か長坂にもこの作品がありました、国蝶オオムラサキを意識した作品でしょうか。
柳沢5
何て大きなお蔵でしょう。母屋側の側面に鏝絵がありました。岩場にとまっているのは鳩でしょうね。岩の下は波が打ち付けているということではないでしょうか。古さを感じさせる作品です。
柳沢6
これも大きなお蔵、丑鼻には波の上を飛ぶ鷹が描かれています。
柳沢7
波の上に月、シンプルな作品です。