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「チキンラーメンの女房」

チキンラーメンの女房チキンラーメンの女房
安藤百福発明記念館 編
中央公論新社

今放送されているNHK朝ドラ「まんぷく」のモデルとなっている女性:安藤仁子をインスタントラーメン・カップラーメンを開発した夫:百福とともに一生をたどって紹介する本です。ドラマに登場する人物や事件などが、これは史実、これは脚色と確認しながら読み進めるのも面白いものです。ドラマが続いている間に読まれてはいかがでしょう。

「料理家ハンターガール奮戦記」

ハンターガール料理家ハンターガール奮戦記
ジビエの美味しさを知らないあなたへ
井口和泉
朝日新聞出版

先日TVでジビエ肉を使ったカレー(だったかな)を出す店が紹介されていました。その店主は若い女性。その後図書館でこの本を見つけたのです。「あー、あのときの女性の本」と興味を惹かれ借りてきました。

子どもの頃、我が家では乳牛を2頭飼っていました。子が産まれたのを何度かみました。今になって改めて、子を生ませて子を引き離して牛乳を搾取していたんだなと思います。そんな子牛を業者が引き取りに来ます。可愛がっていた子牛を連れて行ってしまう、そしてそれはまた食肉になったのかも知れません。良質な肉を得るために品種改良をくり返し、優秀(?)な牛の卵子は大量に冷凍保存されて新しい生命を育て、そして食料に変わっていくという。そんな生命から食料に変わっていく現場を他人まかせにして、私達は美味しい食肉を享受している。

自然に生きる動物を食す。美味しいだろうと想像はできますが、実際に自分で捕獲する、生命を絶つ、血抜き、解体、そして食料に変わっていく。その中での自身の心のありよう、つらい気持ちなどがつづられていて考えさせられます。こんな料理家の強さや生き方をよく書いてよく伝えているなと思わせられました。

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「風に恋う」

風に恋う「風に恋う」
額賀 澪
文藝春秋

 私にとっては額賀作品の二作目。

今回は高校生の吹奏楽の世界。吹奏楽コンクールで全国大会までいった高校の演奏会を聴いて小学校から吹奏楽をはじめた主人公。中学で夢が叶えられずに燃え尽きたかのような茶園基(もとき)が高校に入学するところから話が始まる。先輩・同級生・コーチとともにまたコンクールを目指す物語。コンクールに絶対的な価値観をおいている、そんな世界を私は知らないのですが、ブラック部活なんて言葉も飛び出して勉強との両立をもテーマに据えた面白いストーリーで一気読みでした。

「タスキメシ」

タスキメシ

「タスキメシ」
額賀 澪
小学館

今年の駅伝シーズンもそろそろ終わり、私も正月の箱根駅伝を楽しみにしている駅伝ファンの一人です。

この作品も箱根駅伝を目指す若者の姿を描くもの。早馬と春馬は小さい頃から走ることに打ち込んできた一つ違いの高校生兄弟。在籍するのは全国高校駅伝の常連校をも脅かす高校の陸上部。しかし主人公である兄:早馬は2年生で手術までする故障をして走れなくなってしまう。そんな早馬に声をかける担任の稔、相馬に一緒に料理をする料理研究部の都。走れなくなったことで揺れ動く相馬と彼をとりまく人たちの気遣い、数々の料理を交えながら展開するストーリーが面白い。

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「人間になりたがった猫」

人間になりたがった猫「人間になりたがった猫」
ロイド・アリグザンダー
神宮輝夫訳
評論社

大魔法使いの飼い猫ライオネルは主人に頼んで人間の言葉を話せるようにしてもらった。そして次には人間にしてくれといいだす。でも魔法使いは人間ほどひどい動物はいないからと拒み続けるが、それでもとお願いして人間にしてもらい一人人間の社会へ行く。人間の姿はしているが猫であることを隠そうとせずに様々な困難を乗り越えていく様子が面白い。

最後は口の悪い魔法使いの粋な計らい、読んでよかった~。

「トムは真夜中の庭で」

トムは真夜中の庭で「トムは真夜中の庭で」
フィリパ・ピアス
高杉一郎訳
岩波書店

 久しぶりに児童文学。

家族がはしかになってしまったため、感染予防に夏休みの間親戚に預けられたトム。退屈な生活の中でみんなが寝入ってから入ることができる庭園に毎夜通うようになる。そしてハティと友だちに。

深夜だけの不思議な世界を描いています。寒い冬、川が凍結してしまった世界をハティと二人ではるか遠くの街までスケートで行くのが印象的でした。

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「一絃の琴」

一絃の琴「一絃の琴」
宮尾登美子
講談社

一絃琴に一生を捧げた女性の師弟二代記です。維新の頃、土佐には一絃琴が華やかな時代があったようで、またモデルとなった女性もいるようです。

前半の主人公は苗、芸事にも理解のある武家で育ち不幸な結婚もありましたが、最終的には理解のある伴侶のもとで一絃琴の学校を立派に経営するまでに。後半の主人公は苗の弟子蘭子、才にも財にも恵まれながらも苗には認められず、しかし最終的には一絃琴の第一人者として認められ人間国宝にまで。

こういう女性の一生を描いた作品ではあると思うのですが、著者の描きたい音楽の世界は音楽を通じて名士となる出世の道でしかないように思えてしまいます。もっと音楽で広がる豊かな世界を表現して欲しかったな。

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「神様のカルテ0」

神様のカルテ0

「神様のカルテ0」
夏川草介
小学館

人気の「神さまのカルテ」シリーズ、私もお気に入りなのですが、今回はその登場人物をさかのぼって描いた作品。主人公:栗原一止はまだ医学生時代の友人たちの交流を、一止がスタッフに入る前の「24時間対応」の看板を掲げた頃の本庄病院を、そして一止の本庄病院での研修医スタートを、最後は一止と結婚する前の榛名の姿を描きます。
どの話もグッと引き込まれます。このシリーズ、やっぱり好きだな。

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「マカロンはマカロン」

マカロンはマカロンマカロンはマカロン
近藤史恵
東京創元社

「ビストロ・パ・マル」はシェフ、料理人、ソムリエ、ギャルソン(主人公・男性)とスタッフ4人の下町のフレンチ・レストラン。そこに来る客や客の周辺を語り、シェフの料理の知識・経験から時には客にまつわる謎解き、とスタッフと来客とのあたたかい交流を描いています。8話からなる一冊、フレンチの知らない言葉も沢山出てきますが、楽しめる一冊です。
著者の作品、私は今まで自転車のロードレースを題材にした何作かも魅力的でしたが、近藤作品のまた別の世界、こちらもこれから楽しもうと思います。

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「辻井伸行 奇跡の音色」

辻井伸行奇跡の音色

「辻井伸行 奇跡の音色」
恩師・川上昌裕との12年間の物語
神原一光
アスコム

今評判の盲目ピアニスト:辻井伸行さんの成長物語です。楽譜を見ることができないでピアノを弾くということはどういうことなのか、この本ではじめてわかりました。恩師:川上さんの歩んだ道も紹介され、辻井さんとの出会い、それから二人三脚での成長過程、興味深く読み進めることができました。

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