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「野に出た小人たち」

野に出た小人たち「野に出た小人たち」
メアリー・ノートン
林 容吉 訳

「床下の小人たち」の続編です。長く続いた大きな家であぶり出され捕らわれてしまいそうな危機を脱出して、野に出て新しい生活をはじめるアリエッティの一家。(大きな)人間の暮らしに寄り添い頼っていた生活から新たな生活へ、野生児的な小人の少年も登場、またまた大変な危機も訪れますが・・・・。

この巻では小人たちの人間との距離も少し近づいてきているようです。まだまだ話はつづくという終わり方、続々編も読んでみようと思います。

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「西郷どん」(上・下)

西郷どん「西郷どん」(上・下)
林真理子
角川書店

この前、葉室麟さんの「大獄 西郷青嵐賦」を読みましたが、今度は今年放送しているNHK大河ドラマの原作です。京都市長となった西郷さんの子:菊次郎が部下のために父を回想し物語っている形ですすみます。

上巻は西郷さんの若き日の活躍と藩主斉彬の急死、西郷失脚遠流、流罪が解かれるまで、ちょうど葉室さんの本と同じ流れです。人物像はていねいに描いていますが、時代の寵児としての活躍はサラッと書いている印象でした。下巻はいよいよ維新への激流、新政府誕生、そして西南の役まで。やはり駆け足のようにも感じます。ページ数がちょっと足りないかな。でも展開が速く、先へ先へと読み進めてあっという間に読了でした。

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「親鸞」 上・下

親鸞「親鸞」 上・下
五木寛之
講談社

「親鸞」という名を目にすると読みたくなってしまいます。久々の宗教色の強い作品です。「易行道」とか「悪人正機説」とか、独特の思想をよく物語にしたものだなと思います。でもそのために極端な悪人も話の中で作り上げている感じもします。

ここでは親鸞の少年時代から出家、念仏門へ、そして越後へ遠流となるところまで。展開が面白くてあっという間に読み終えてしまいました。続編も楽しみにたいと思います。

「床下の小人たち」

床下の小人たち「床下の小人たち」
メアリー・ノートン
林 容吉 訳
岩波世界児童文学集

日々の生活で何かしら物がなくなっていく。消耗する物もあるだろうし紛失する物も置き場所を忘れてしまう物も。でもそんな物のなくなる原因が床下に暮らす小人の「借り暮らし」のためだというこの小説、おもしろい。人間から借りてきた様々な物を身体のサイズに合わせて小人の生活に活かしていく、そしておはなしにまで仕上げてしまった豊かな想像力、すごいなと思います。

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「創業家に生まれて」

創業家に生まれて
定食・大戸屋をつくった男とその家族
三森智仁
日経BP社

定食屋チェーン:大戸屋をつくった三森久実の成功物語とその生き方・経営理念などを長男である著者が語った本。4章だての最終章は創業者が亡くなった後の社内の不和のこのにも触れている。
何のためにこの本を書き出版したのでしょうか?

後味はちょっと・・・・。

「キラキラ共和国」

キラキラ共和国

「キラキラ共和国」
小川 糸
幻冬舎

テレビドラマ化された「ツバキ文具店」の続編です。主人公はツバキ文具店の若き店主であると同時に代筆屋さん。

この作ではモリカゲさんとQPちゃんとの新しい生活が始まります。まずは「ご近所別居」でスタートし、急がずに少しずつ家族になっていく、面白いですね。最初に登場する手紙は、代筆の仕事ではなくて自身の結婚の挨拶状。それから次々と依頼されて書く手紙もそれぞれいい味わいで、手紙というものの魅力や力を感じます。メール社会化がすすんでも、やっぱり手紙っていいな。バーバラ婦人、パンティさん、男爵、いろいろなニックネームで登場する人たちが主人公:ポッポちゃんを温かくつつんでくれ、モリカゲさんの実家の家族もまた温かい。キラキラ共和国は新しく生まれた家庭のことだったんですね。しあわせ物語かな、これは。

「身体に無理なく痛みがとれる自然形体療法のすべて」

自然形体療法のすべて身体に無理なく痛みがとれる自然形体療法のすべて
-現代医学の常識を打ち破る治療革命-
渡辺葉子
現代書林

私は数年前にひどい転倒をして、その後遺症として右肩から腕にかけて慢性的に痺れを覚えるようになりました。整形外科や整骨院に通いましたが一向によくならない、そんなときにすすめられたのが自然形体療法。4・5回ほど通った結果、その痺れはなくなりました。その治療院で目にしたのが「自然形体療法」について書かれたこの本です。

西洋医学の多くは対症療法のように感じているのですが、この治療法は決してそうではないようです。何かしらの身体の不調を持っている方、こんな治療法があることを知っておいてもいいのではないでしょうか。

でも、残念ながら私の住む山梨にはこの治療をしていただけるところがないんですよね~。

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「大獄 西郷青嵐賦」

大獄「大獄 西郷青嵐賦」
葉室 麟
文藝春秋

今年はNHK大河ドラマが「西郷どん」、図書館にその原作とこの本が並んでいて、葉室さんが好きな私が選んだのはこちらでした。

明治維新の立役者の一人西郷隆盛の若き頃の物語です。薩摩藩の幕末の名君:島津斉彬が藩主につく前から始まり、藩主となった斉彬に抜擢重用され大活躍。しかし時代の潮流が変わり尊皇派の志士たちに苦難の時代を迎えます。表題は「安政の大獄」からきているのでしょうか。そこからまた夜明けを迎えるまでを描いています。

坂本龍馬については多くの小説・ドラマで多少の知識はあるのですが、西郷については知らずに来てしまいました。ここでは魅力的な人物:西郷像が描かれていて新鮮ですが、「これから・・・・」というところで終わってしまっているなとも思ってしまいます。ゆくゆくはこの後の歴史の表舞台に立つ西郷像も描きたかったのではないでしょうか、好きな作家さんが逝ってしまいました。

「おらおらでひとりいぐも」

おらおらでひとりいぐも

おらおらでひとりいぐも
若竹千佐子
河出書房新社

桃子さんは夫を亡くし、子ども(一男一女)は離れて暮らしているので、今は一人暮らし。孤独の中でも頭の中では弱気・強気・喪失感・自由を得た自分、いろいろな性格の桃子さんが東北弁で話しかけて、それはそれは賑やか。さらには桃子さんのばっちゃんが登場したり子ども時代の桃子さんが登場したり。子どもが独立し伴侶を亡くしたあと老いと孤独の中で生きていく心を実によく語っているのではないでしょうか。

今の時代を象徴しているような今年の芥川賞作品です。

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「アキラとあきら」

アキラとあきら

「アキラとあきら」
池井戸潤
徳間文庫

零細工場の息子:瑛(あきら)と大手海運会社の御曹司:彬(あきら)の物語。父の工場が倒産し新しい地で生活する瑛、父の会社を継ぐことを期待されながら独自の人生を歩み始める彬。二人が顔を合わせるのは銀行という舞台、やっぱりここでも池井戸ワールドです。二人の主人公が歳を追って成長していく姿が並行して描かれ、行員新人研修では融資を申し込む側と審査する側に立ち模擬対決する。そしてやがては本当にその立場となっていく。面白い話の組み立てでした。

昨年文庫で登場したので新しい作品と思いきや、実は10年ほど前に雑誌に連載された長編小説。今人気の池井戸ワールドの先駆け的な作品のようですが、爽やかな主人公二人を描いていて読後もまた爽やかです。

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