ソノリテ甲府吹奏楽団のオープニングを飾った曲は「アメリカン・サリュート」、1943年にモートン・グールドにより作曲されたものだそうです。この曲を聴いていて「おやおやっ」と思ってしまいました。長い曲の中に何回もメロディーが現れます。そのメロディー、前半は少し違いますが後半はあの「三羽のからす」じゃないですか。「アメリカン・サリュート」の原曲はどうやら「三羽のからす」のようです。
1955年に山形南高OB合唱団が第1回東京公演を行いましたが、このとき第3ステージくらいで東京のいくつかの合唱団の合同演奏があり、そのあと登場するのが「東京メール・クァルテット」、南高OBである増田順平さんをはじめとするヴォーカルグループです。その中の3曲目だったかな、「三羽のからす」があります。
からすが三羽いて オ・ビリマギマガ
からすが三羽いて オ・ビリマギマガ
からすが三羽いて みんな真っ黒けだ
そこで羽ばたいて ビリマギマガ
なんていう歌詞で3番まで続くのですが、3フレーズのあとに男性の裏声で
「カア、カア、カーア」
とカラスの鳴き声が入ります。このとぼけたカラスが何ともいい、楽しい曲です。こういうシンプルな、とぼけた感じはやはり合唱ならですね。きらびやかな吹奏楽の曲もいいですが、こういう味は人間の声に軍配が上げてしまいますね、私は。