日別アーカイブ: 2010年1月25日

「坂の上の雲」

年末から、司馬遼太郎「坂の上の雲」を読んでいます。昨年なぜか大河ドラマが早々に終わり、その枠で12月に放送されたドラマ「坂の上の雲」を見ていて読みたくなったのです。幸い図書館にも新しく文庫本が入っていたので借りてきました。
坂の上の雲

なかなかおもしろく読んでいたのですが、ドラマの方が話は終わってないのに途中で終了してしまいました。ドラマが終わってしまうと途端に読みたいという欲求が薄れてしまいました、わがままなものですね。しかし、先日の連休(土日)にまた読書の時間をまとめてとったところ、再びこの話の世界に戻ることがてきました。
小説の舞台は明治の初期から日露戦争まで(まだ読み終わっていませんが)です。平和主義者(笑)の私としては、維新から昭和20年の終戦まで日本は一気に軍国主義の道を走った暗い時代という印象を持っていました。小説の中では、文人である正岡子規まで日清戦争に狂喜し争いの取材に出国する事を熱望していました。そこに違和感も感じたのですが、一方で国内の争いに明け暮れていた日本が短期間に近代化をすすめ周囲からあざ笑われるほどの西洋化をすすめて、やがてはじめた日清戦争では意外にも大国:清国に勝ってしまう、そんなことに文人までもが小躍りして喜ぶ様子に「なるほどな」と思ってしまいます。軍国主義への暗い道をまっしぐらというよりは、むしろ新しい国家が形成されていく時代。そんな時代に生きる喜びを人々が感じ、はつらつとして活躍している、そんな明治初期だったのでしょうね。
この小説私が呼んでいるのはまだ第2巻、まだまだ先は長いようです。楽しみです。