少年僧:胤舜は大覚寺花務職:広甫の弟子。若年ながら兄弟子達にも活花の才では一目置かれている。父・母と一緒に暮らせぬ宿命をを負った少年僧が、降りかかる難題を活花をとおして乗り越えてゆくおはなし。華道の世界を映像でなく文章で美しく表現しているなと思いました。
胤舜という名前はたしか「宮本武蔵」にも出てきましたよね。奈良の棒術の達人僧でした。「どうして同じ名前を使ったんだろう?」なんて考えてしまいます。
武家の世界を描くことが多かった葉室作品ですが、一つ新しい世界を開いたのでしょうか。章ごとの小見出しを飾るモノクロで描かれた花のページもまたいいなと思いました。
「嵯峨野花譜」
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