「さぶ」

さぶ

さぶ
山本周五郎
新潮文庫

 江戸の経師屋で働く同い年の栄二とさぶ、腕のたつ職人に育ってきている栄二と不器用だが愚直にのりをつくるさぶはいつか一緒に店を持とうと夢見ている。しかし栄二は無実の罪におとしめられて石川島の人足寄場に送られる。そこは世間では器用には生きられない人たちの生活の場。栄二とさぶの友情、栄二を心配するおすえとおのぶ、人足寄場の人たちとの交流で栄二の復讐心も次第に洗われていく。そんなきれいな心を描いた作品。
江戸にもこういう社会復帰を目指すような更生施設があったんですね。
ストーリーにぐいぐいと引き込まれての一気読みでした。これから周五郎ファンになろうかな。

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