「ながい坂」(上・下) コメントをどうぞ ながい坂(上・下) 山本周五郎 新潮文庫 下級武士の家に生まれた小三郎(後、三浦主水正)は、身分の違いから体験した理不尽な事件から一念発起して上士が通う尚功館に入学する。文武に才能を開花させ、異例の出世を遂げるが藩内の政争にも巻き込まれていく。代々の城代家老の滝沢家に生まれ才豊かで将来を嘱望されていた荒雄(後、兵部)の挫折と対照的に描かれている。藩内の名門:山根家の男勝りの娘:つるとの関係もまたおもしろい。 読みごたえのある山本周五郎最後の長編です。 (34.6k)