翌日の11月1日、いよいよ廃校となった小学校での本番です。
玄関ではKURIさん夫妻が受付に座っていました。文化祭と昨夜のオープニングイベントを聞いた私たち、どうやら顔を覚えてくれたようです。古い校舎の玄関をはいるとすぐにこのイベントを教えていただいたTさんの「玄米屋」の玄米直売がありました。2階の教室へと向かいましたが、階段も廊下も中央に白いラインがのこっています。これも昔の小学校の光景ですね。子どもの頃広く感じていた廊下も今見ると狭いものです。「開かずの校舎に何年ぶりかで入り、ここまでにするための大掃除、大変だったんだろうな。」なんてことも頭をよぎります。
私たちの目当ては甲州弁が楽しいKさん司会による昔語りのコーナーです。その教室にはいると大型紙芝居をやっていました、紙芝居の絵も枠も立派な手作りです。おはなしは地元に伝わるむかしばなしを掘り起こしたもので、この地の山を少し登った茅が岳のふもとの広い場所にある「牛石」にまつわるものでした。子どもの頃、遠くからこの牛石を一度見たことがあるような気がします。何十年ぶりかで聞いた「うしいし」、今度見に行ってみようかと思います。
そのあとはKさん司会による古老達のおはなし、古老は80歳台の男性二人、女性一人でした。今はない私たちが通った中学校のや、みんなおかっぱ頭の女の子達、さらに遡った大正時代のものなど数々の古い写真がスクリーンに映し出され、現在は過疎に悩むこの地のかつての賑やかだった様子を話してくれました。こういう写真を前にして語るおとしよりの生き生きとした様子、Kさんには甲州弁を織り交ぜて古老のはなしを上手にひきだしていただき、あっという間の1時間でした。
しめ縄作り、リース作り、ストラップ作り、笛体験、写真のフレーム作りなど体験コーナーも豊富でした。
イベントには飲み食いどころも必要ですね。ここでは地域のベテランの女性達による野菜おこわやおやき、パン工房のパン、個性的なカレー屋さん、オーガニック珈琲等々こちらも賑やかでした。おこわ・おやきの休憩コーナーでは昨日のかんから三線の岡大介さんがボランティアで次々と歌ってくれていました。「もう、三時間もうたっているよ。」とのこと、リクエストにも気軽に応じてくれたり誰にでも話しかけてくれたりで、ひたむきで実に親しみやすい若者でした。
http://blog.livedoor.jp/kankarasanshin/
校舎の中をゆっくりと楽しませていただき、グランドに降りるとそこでは子どもたちが「カッパさん」と遊んでいるのに出会いました。何とも楽しい光景です。
敷地のすみの土手には桜が何本も植えられています。当時極々ふつうの大きさの桜の木も、その後40年もたつと立派な巨木となっていました。私たちが通った校舎ではありませんが毎日見た小学校の光景、当時そのままの校舎、楽しいタイムスリップの時間でした。
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