一路 (上・下)

一路一路 (上・下)
浅田次郎
中公文庫

これもテレビドラマを観て読みたくなった作品です。

西美濃・田名部郡の小野寺家は代々主家の参勤交代を取り仕切る家柄。江戸で成長した小野寺一路は父の急死で田名部に呼び戻され、すぐに出立する参勤交代を仕切ることに。引き継ぎなどないはじめての仕事に、はるか祖先が残した行軍録だけをたよりに古式の参勤交代をすすめる。お殿様を陥れようとする重臣も同道する中、いくつもの苦難を乗り越えて江戸まで。そんなストーリーです。

今までスポットライトを浴びることのなかった参勤交代を題材として作品を仕上げるのには膨大な量の資料を読みあさったのでしょうね。作家さんのそういう熱意、感心するばかり。参勤交代といえば東海道、そして川渡しを思い浮かべます。そのやっかいな川渡しを避けて中山道を使った大名も多かったとか、二大名が同じところに投宿するときの上下関係とか、「そうなんだ」と知らなかったこと満載です。でもストーリーがちょっと短絡的なところがあったり、馬の会話などおちゃらけがあったり、都知事選ではないけれど「後出しジャンケン」という言葉を思わせるようなところも・・・・。読後の満足感は残念ながらイマイチ、かな。

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