鏝絵巡りシリーズ第7回
鏝絵の里:津金を歩く
昨日、このウォークがありました。恥ずかしながら私の企画です。
ここ津金はかつて鏝絵を得意とする左官職人さんがいたところ。しかもその職人さんは古いものの修理も手がけられました。そのためかここは限られた範囲に数多くの鏝絵が存在し、山梨を代表する鏝絵処なのです。
午前10:00においしい学校駐車場に集合、事前ストレッチのあとおいしい学校に移動、ここからウォーキング・スタートです。
ご覧の通り雲一つ無い素晴らしい天気に恵まれました。手前は観光用水車、高いところに雪を頂く八ヶ岳を望みます。
学校前の桜並木、木々の先は幾分赤味を帯びて開花の時も近づいています。
津金のメイン通りに出てすぐ目にするのがこの鏝絵蔵。丑鼻の下にこの家の姓が横文字で鏝で描かれているのもおしゃれ。丑鼻の鏝絵は大黒様です。(写真をクリックして大写しのものもご覧下さい。)
メイン通りをもう少し進むと油屋商店があります。玄関脇にはその大きな鏝絵看板、その上には富士山をかたどったこれも鏝絵です。屋号から察するところ、ここは昔灯明の油を商っていたんでしょう、看板もその時代の名残でしょうね。
油屋商店の母屋の丑鼻には「波に千鳥」の鏝絵、波を立体的に描いた見事な作品です。
川を渡って下原集落、すぐに目にするのがこの鏝絵。蔦が絡まってわかりにくいのですが写真にして拡大すると「松に鷹」。ここもかつての鏝絵職人さんのお宅だとか。
坂を登ってすぐに次の鏝絵蔵(これは以前に撮った写真です)、何とこのお宅は今回一緒に歩いた会員と縁づいたお宅。立派な蔵の鏝絵は夜空を背景にした上品な作品「松に鷹」。(写真をクリックしてご覧下さい。)
川に沿った道を遡り和田集落にはいってすぐのところで鏝絵発見。こちらの蔵は妻壁側ではなく正面の軒下に鏝絵が配されています。この大黒様のデザインも独特。(写真をクリックして鏝絵をご覧下さい。)
こちらは蔵を二つもつお宅、庭の中に入れていただいて見ることができました。緑青色の「龍」と「松に鷹」。なんと後者はこの家の先代さんの自作とのこと。「目がぱっちりしてかわいい鷹だね。」との声も。(写真をクリックすると拡大表示されます。)
このお宅、庭にはクロッカスと福寿草が群生、花もちょうど見頃でした。
田んぼの中をまた津金の中心部に向かって引き返します。前方には南アルプスの眺望。
スタート地点:津金三大校舎まで戻って昼食。おもいおもいに校庭の石・芝に腰を下ろしてしばしの休憩です。ここは明治・大正・昭和各時代に建築された校舎が保存・活用されていて津金のシンボル的な存在。後方の藤村式建築が明治校舎で、昼休みの間に各自で中に展示している鏝絵の資料も見学しました。
午後の部、今度は北方面を巡ります。スタートして早速に鏝絵蔵、こちらは川を挟んで離れたところからの観賞。
こちらは茅葺き屋根を途端で覆った古いお宅の外トイレ、明かり窓の鏝絵。表側と奥側で色合いを変えて少し微笑んでいるような三日月様。こんな鏝絵をトイレに配した家主さん、何て風流なんでしょう!
でもこちらの建物はもう倒壊寸前。こんな先人の文化遺産が消えていくのは忍びないですね、皆さん口々に「何とか保存できないのかな!」と。
またもたんぼ道を通って津金最北端、鏝絵巡り最後の大和地区に向かいます。
甲斐駒を背景に道端に立つ道祖神、電線がなければいいのになぁ。
着きました、大和地区。こちらの蔵には鏝絵では珍しい「寿老人」。(写真をクリックしてご覧下さい。)
最後の作品は「波・月に鶴」。(写真をクリックしてご覧下さい。)
「津金のりんご」のりんご畑の脇を通ってスタート地点に戻ります。
今回のウォーク参加者28名、沢山の方にご参加いただき賑やかに楽しい時間を過ごすことができました。またサブリーダーさん何かと助けていただいてありがとうございました。
次回の鏝絵シリーズは4月、小淵沢ですよ~。そして、シリーズはまだまだ続く予定で~す。
(52.1k)