「灯台からの響き」
宮本 輝
集英社
妻を亡くして店を休業し蓄えを削る生活を続けている中華そば屋の康平は手にした本から亡き妻宛の大学生の葉書を見つける。見ず知らずの若者から便りに妻は「あなたにはまったく覚えがないが・・・・」と返信を書きそれを康平が投函したのだったが、その返信はなかった。そんな葉書を何かのメッセージのように康平がいずれ読むであろう本の間に挟んでおいた妻の意図は・・・・。康平の謎解きがはじまる。
仕事に追われあまり会話もなかった二男一女の子どもたち、父から近づこうとする気配もあるが、いずれも独り立ちしている子どもたちも仕事を止めてしまっている父を見守っていてこころ温まる家族の物語でもあります。
(48.8k)