月別アーカイブ: 2009年11月

海岸寺の紅葉

地元にある名刹:海岸寺の紅葉をみてきました。

海岸寺の歴史は千三百年、「んっ?」と思いました。我が家の檀家寺と同じ臨済宗のはずなのですが、千三百年前なんて臨済宗はなかったはず。そこで今回は立て札をよく呼んでみました。わかりました、お寺にも宗旨替えがあるんですね。しかも何回も火災にあい、再建を繰り返しているのだそうです。それでも現存の建物は古さを感じます。江戸時代の建築なのだそうです。

海岸寺の紅葉1
本堂の側面から少し見上げて紅葉をおさめてみました。有名な石仏群にはひさしがつけられ、雨をしのいでいます。石仏群とその屋根の落ち葉と背後の紅葉と、ちょっと嬉しい写真が撮れました。

海岸寺の紅葉2
山間にあるお寺の午後は早々に日が入ってしまい、少し暗めですね。紅葉としてはちょっと遅めでしたが、人気のない境内の一部はいちょうの落ち葉の黄色い絨毯で、なかなの風情でした。

あけてゆっくり玉手箱②

翌日の11月1日、いよいよ廃校となった小学校での本番です。

玄関ではKURIさん夫妻が受付に座っていました。文化祭と昨夜のオープニングイベントを聞いた私たち、どうやら顔を覚えてくれたようです。古い校舎の玄関をはいるとすぐにこのイベントを教えていただいたTさんの「玄米屋」の玄米直売がありました。2階の教室へと向かいましたが、階段も廊下も中央に白いラインがのこっています。これも昔の小学校の光景ですね。子どもの頃広く感じていた廊下も今見ると狭いものです。「開かずの校舎に何年ぶりかで入り、ここまでにするための大掃除、大変だったんだろうな。」なんてことも頭をよぎります。

私たちの目当ては甲州弁が楽しいKさん司会による昔語りのコーナーです。その教室にはいると大型紙芝居をやっていました、紙芝居の絵も枠も立派な手作りです。おはなしは地元に伝わるむかしばなしを掘り起こしたもので、この地の山を少し登った茅が岳のふもとの広い場所にある「牛石」にまつわるものでした。子どもの頃、遠くからこの牛石を一度見たことがあるような気がします。何十年ぶりかで聞いた「うしいし」、今度見に行ってみようかと思います。

そのあとはKさん司会による古老達のおはなし、古老は80歳台の男性二人、女性一人でした。今はない私たちが通った中学校のや、みんなおかっぱ頭の女の子達、さらに遡った大正時代のものなど数々の古い写真がスクリーンに映し出され、現在は過疎に悩むこの地のかつての賑やかだった様子を話してくれました。こういう写真を前にして語るおとしよりの生き生きとした様子、Kさんには甲州弁を織り交ぜて古老のはなしを上手にひきだしていただき、あっという間の1時間でした。
あけてゆっくり玉手箱1
しめ縄作り、リース作り、ストラップ作り、笛体験、写真のフレーム作りなど体験コーナーも豊富でした。

イベントには飲み食いどころも必要ですね。ここでは地域のベテランの女性達による野菜おこわやおやき、パン工房のパン、個性的なカレー屋さん、オーガニック珈琲等々こちらも賑やかでした。おこわ・おやきの休憩コーナーでは昨日のかんから三線の岡大介さんがボランティアで次々と歌ってくれていました。「もう、三時間もうたっているよ。」とのこと、リクエストにも気軽に応じてくれたり誰にでも話しかけてくれたりで、ひたむきで実に親しみやすい若者でした。

http://blog.livedoor.jp/kankarasanshin/

あけてゆっくり玉手箱2
校舎の中をゆっくりと楽しませていただき、グランドに降りるとそこでは子どもたちが「カッパさん」と遊んでいるのに出会いました。何とも楽しい光景です。
あけてゆっくり玉手箱3
敷地のすみの土手には桜が何本も植えられています。当時極々ふつうの大きさの桜の木も、その後40年もたつと立派な巨木となっていました。私たちが通った校舎ではありませんが毎日見た小学校の光景、当時そのままの校舎、楽しいタイムスリップの時間でした。
あけてゆっくり玉手箱4
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あけてゆっくり玉手箱

私が通った中学校は在籍中に統合となりました。でも2年間は新校舎が完成せず、私たちとその次の学年は名前だけの新中学校の卒業生です。まもなく校舎も取り壊さ今では市民グランドとなってしまいましたが、体育館だけは当時のふるいまま残っています。そのとなりには小さな沢を隔てて並ぶように小学校がありました。この小学校が廃校になったのは昭和60年ころ、でもこの校舎は今も当時のまま残っていかにも昭和の頃の学校を思い出させるたたずまいです。4~5年ほど前民放で放送された国仲涼子主演のドラマ「みんな昔は子供だった」はこの校舎でロケが行われました。

そんな廃校で、
あけてゆっくり玉手箱
~ よみがえれ 廃校の記憶 ~
こんな名前のイベント情報を知人から紹介していただき、行ってきました。

10月31日(土)夕方はオープニングイベントでした。私たちは夫婦+母の3人連れでの参加です。「かんから三線」というブリキの空き缶をもとに自作した楽器を駆使して大正時代のはやり歌を歌う「岡大介」さん、母を含めた人生の先輩の方々には本当になつかしい歌の数々でした。昭和なつかし映画会「月光仮面」、これは結構長かったですね。シンプルなストーリーと技巧的でない当時のモノクロ映像、笑ってしまいました。カッパさんの愛称で呼ばれている「おいかどいちろう」さん、最初は頭にかぶり物をして登場し、荒々しい獅子舞、自慢のカッパの髪型・顔芸を生かした踊り、おかめ面・ひょっとこ面と次々に面と姿態が変わっていくさすがの大道芸でした。お年寄りに近づいていって握手を求め、そのたびにカッパのキスとサービス精神も満点でした。ギター片手の古賀メロディーをはさんで最後は私たち一番の目当ての音楽トリオ「トリニティールーツ」の演奏でした。
あけてゆっくり玉手箱5
このグループの左右の二人は地元在住、以前にこのブログでも紹介したことがあるKURIさんです。二人の時と三人のとき、グループ名を使い分けているようですね。トリニティールーツの演奏は海外の打楽器や笛・エレキギターなどを駆使した民族音楽風、でもオリジナルの音楽のようでした。ステージの背景には屋外イベントで演奏した時の映像が効果的に映し出され、これもまたプロのステージで私たちを楽しませてくれました。
プログラムが終了した後も岡さんとカッパさんの演奏やトークでイベントを盛り上げ、出演者のみなさんも運営の方々と一体となってこのイベントを楽しんでいる、そんな様子のたのしい時間でした。