私の願い
「最高のコーラスを聞かせるから」と○ちゃんにさそわれて、待ち合せの名所-ハチ公の前でみちのくの人達(○ー男性合唱のメンバー)に会った。初対面の男性は苦手なのだが、その中に親近感のある顔(ごめんなさい)があった。どこかで会ったことのある人と記憶のページを繰ったが思い出せぬ。愛隣会へ行くバスの中で当人の○○さんに云われてわかったのだが、私の勤務している店の近くで働いていたことがあり、私が時々使いに行く度に挨拶した人だった。偶然とはいえ、縁とは不思議なもの「小説の様だな。これも何かのめぐり合せ」そう思ったとたん、にわかにみちのくの人達が身近に感ぜられた。やがて一行は愛隣会へ到着し、練習を始めた。その声を聞いた瞬間、私は思わず「これだ」と小さく叫んだ。静かだがハーモニーのとれたひびきは、私の心を完全にとらえてしまった。しかし、更に私の心に感動を与えたのは、本番(?)のコーラスだった。そのコーラスを聞く愛隣会の人々は、わからぬながらも何かを得ようと、熱心な顔、々。
歌う人と聞く人の心が一致し、部外者の私にもほのぼのとしたものが素直に感じられた。そして《このコーラスこそ私の探して居たもの》とうれしかった。と同時に、紹介して下さった○ちゃんに、感謝の気持で一杯だった。今でも、じいっと頭をたれ《ひえつき節》を聞いていた老婦人の姿が忘れられぬ。
いつの日にか《混声みちのく》も人の心にしみじみとした思い、故里の様なひびきを伝える合唱団になれたら、というのが私の願いであり、また、コーラスを始めた動機でもある。
(以上、「みちのく」第1号より)
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「愛隣会」ってどんな合唱だったんでしょうね。ここに登場するということは分離唱にもとづく合唱だったんでしょうか。この頃、佐々木先生の影響を受けた合唱はたくさんあったんでしょうね。
私の願い
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