だれも知らない小さな国
佐藤さとる 作
村上 勉 絵
講談社 青い鳥文庫
久しぶりの児童文学、昭和34年出版の作品です。
「ぼく」が小学三年のときから話がはじまります。友だちと一緒に見つけたもちの木の皮は、がき大将のためにあまりもらうことができず一人で山の中にはいる、そこでお気に入りの場所をみつける、なんてストーリーは男の子の冒険的・隠れ家的な心をくすぐります。
そんなお気に入りの場所を、大人になった「ぼく」がここに住む「こぼし様」という小人とともに守ろうとする。開発計画を止めさせるための作戦もまた面白い。さらに夢を共有できる女性も現れてくるあったかいおはなしでした。
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