さらりと音楽談義(第6回)

今回も参加できました。体調が悪い人もありちょっと少人数、今回のテーマは「暮れの音楽」でした。

 

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まずは暮れを代表する曲「第九」の話題。
「合唱」ともいわれますが、藤原先生によると「これは交響曲として書いたもの、たまたま合唱をいれた」とのこと。暮れとは関係ないが、日本の第九の初演は捕虜収容所でのことだそうです。第一次世界大戦では日本は連合軍に加わり、ドイツが占領していた中国・青島(チンタオ)を攻めていって制圧、戦後ドイツ人捕虜を日本全国に収容、徳島でも収容した。ここでは捕虜の人権を認めて自由にさせた、例えば音楽、園芸、スポーツ等々。そしてこの収容所で日本で最初に「第九」を演奏したのだそうです。NHK大河ドラマ「花燃ゆ」でも西南戦争で敗れた捕虜の人権を認め養蚕・生糸の技術を学ばせて社会復帰しやすくした場面がありましたが、ちょうどそれを連想させるおはなしでした。

続いては「きよしこの夜」の話。
これは1818年に生まれた曲、オーストリアのザルツブルクでのこと、教会の牧師さんが村人のためにクリスマスを賑やかに、歌をつくってみんなで歌おうということで自分で書いた詩に対して曲をつくってもらったのだそうです。教会ではオルガンが壊れていたのでギター伴奏ではじめて演奏された。それが周囲に広まり世界中にひろまった。日本には宣教師が持ってきて、教科書にのったことから宗教心なしに歌われるようになった。さらに有名な話として、フランスとドイツの国境で戦争中、塹壕に入っていたドイツ兵がもみの木をもってこの歌を歌いながら出てきた、フランス兵もそれにならって歌い出した。これがクリスマスの一時休戦の始まりだそうです。また日本では歌詞は3番までしか馴染みがないが、4番には平和が歌われていて、作者としては4番こそ歌ってほしいのだそうです。讃美歌の大好きな私たちには興味深いおはなしでした。

明治期、西洋音楽を取り入れたとき急いで音楽用語を翻訳・造語したのだそうです。しかしその造語にはふさわしくないものも多々あるとか。そんなことから「休符」・「フェルマータ」・「アフタクト」などの音楽用語についても、「あ、そうなんだ」と改めて納得のおはなしをいただきました。

最後に藤原先生のヴィオラ・ダ・モーレの演奏の「愛のよろこび」、そして先生のこの楽器の伴奏で「きよしこの夜」をみんなで唱ってテーマ「暮れの音楽」らしくこの会を終わりました。

 

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会場の今回のおしゃれなワンポイントは円形に囲んだ参加者席の中央の机の上。中央に大きな松ぼっくり、その周りに楽器を演奏するかわいい天使の人形など。更に参加者各人にクリスマス・カード付きのスイート・ポテト、主催者さんのうれしい心遣いでした。

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