白糸の滝のあとは引き返して山中湖方面へ、忍野八海にまわってみました。富士の伏流水が湧出してつくる小さな池群、なかでも湧池は大きな横穴からの湧水量が多く、水中に緑の水草がしげって流れになびいている様が印象的でした。観光客は少なく、道路端にごく普通にある池、でも近くに水車小屋が一つ建っていた、そんな静かなところでした。
でも今回行ってその変わりようはすごいものです。
最大の見所の湧池はご覧の通り、池の向こう側には田園風景が広がっていたのですが、今は周囲は埋め立てられ土産物店などがならび、そのなかに池だけがある。池の周囲の土は踏み固められ、水の湧き出し口の上には観光用の建物があり、人工的に作られた場所・アジア系の観光客も多い雑踏の中に池だけが取り残されているような印象です。そして池の中には大量の銀貨が投げ入れられてたまっています。さらにさらに、この一帯、やけにかやぶき屋根が増えました。それから立派な家も。世界遺産に登録されると言うことは、こういうことなのでしょうか。
池から流れ出した流れに沿って散策路があります。緑いっぱいの中の水の流れ、美しい風景ですがやはり自然の中の流れからは大きく変わって人間好みの風景にしてしまったようにも思います。
池だけを残して、あとの景観は全く変えてしまった忍野八海。今回で見納めにしようと思います。