日本のうた

 以前ちょっとだけ触れたことがありますが、高校時代の一時期合唱部に所属していました。若い先生のもとでの楽しい思い出です。私たちの学年には珍しく女性より多い7人の男性がいました。この男性メンバーで男声合唱を、古い木造校舎の階段の踊り場で数人の男性で唱うとよい響きを感じられて何ともいえない楽しみが感じられました。この頃歌った曲の多くは、デュークエイセスの「日本のうた」からのものでした。この「日本のうた」はポピュラーなところでは「いい湯だな」「君の故郷は」「女ひとり」といったところでしょうが、実は各県に少なくとも1曲は用意され1冊の本になっていました。私たちはこの曲集を片っ端からとまではいかぬながら、十数曲は歌ったのです。
 そんな高校時代の楽しい思い出を作ってくれた当時の音楽の先生が今年3月で退職になりました。そこでOBが集まって退職のお祝いの会を楽しくやろうという企画が予定されています。
 この会の余興に「日本のうた」をやろうということになり、昨日音楽の先生をしているOBのHさんのお宅に男性OBが集まりました。候補曲は、
・十和田の底に(青森)
・君の故郷は(東京)
・風が消して行く(鳥取)
・フェニックス・ハネムーン(宮崎)
・燃える若者(鹿児島)
Hさんとの打ち合わせの中では他に「大地讃頌」の男声版があるよなんて言われたのですが、どうせ歌ったことのない曲をやるのならア・カペラの男声でハモりたいと「美わしの五月」の楽譜を南高OBの四重唱の録音とあわせて持ってみました。しかし私を除くメンバー全員がこの曲には全く乗り気がせず、結局「日本のうた」以外にはみんなが歌える「いざ起て戦人よ」という男声合唱の代表的な曲に決まりました。よく言えば”勇ましい”歌ですが、私は”乱暴”な歌という印象です。持って行った山形の録音も聴いてもらったのですが、そのハーモニーにも特別な反応はなく、「不満はある」なんていう声をいただきました。感じ方や合唱への思いは人それぞれですが、「男声合唱こそハーモニーを楽しみたい」と考える私とはかなり視点が違うようです。今日は、そういう感覚の違いを思い知らされた後遺症を引きずっています。
(16.0k CT)

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