当時のメンバーは「合唱村」ということばに懐かしさを感じるだろう。「聴いて聴いて」という徹底した指導の中からハーモニーが芽生え、音楽をそれぞれ感じるようになってきた頃先生の口からたびたび聞かれたことばだ。「こんなメンバーが近くに住んで、一日の仕事を終えたらどこかに集まって合唱をする、そんな『合唱村』ができたらいいね。」ということだった。この言葉の中には多分に、当時先生がよく話してくれた自然農法の臭いがあり、一日の仕事というのは農業をさした言葉だった。農作業を終えたあとこんな合唱ができれば他に何もいらない。「男性は皆丸坊主」の理想(笑)と同じように、決して実現できるような夢ではない。しかし、そんな情景が一つの夢として、多くの団員の頭の中に描かれたことだろう。先生が夢として語られ、我々団員も夢として感じ取れた、そんなことを「合唱村」ということばから思い出す。
合唱村
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