「嘘の木」
フランシス・ハーディング
児玉敦子 訳
東京創元社
博物学者の父サンダリーは翼のある人類の発見者として高名であったが、その化石がねつ造であるという噂から一家はヴェイン島に移住してくる。それは島での発掘現場からの招きにもよったのだが、やがてこの島でも父の疑惑が広まってしまう。そして父の不慮の死。その死については自殺の疑いが膨らみ、埋葬もままならない。娘のフェイスは博物学に関心を寄せる14歳の少女、父の残した嘘を養分として成長する「嘘の木」の力を借りながら尊敬する父の汚名を晴らそうとするが・・・・。
女性が科学を志すことはタブーであったり、自殺者が人の道に反する者として扱われたりする時代背景の中で少女が奮闘するおはなしでした。
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