先日TVで10年前に無実の罪で半年近く勾留された経験を持つ元厚生労働事務次官・村木厚子さんがこの著者と対談していました。村木さんは今野作品の愛読者とのこと、今度読んでみようと思ってはじめて手にしたのがこの小説。
竜崎伸也47歳、東大卒の警察庁キャリアで現在は警察庁長官官房総務課長。家庭のことは妻に任せエリートコースをひたすら歩んできた竜崎だが、社会復帰した少年犯罪加害者への連続殺人事件のマスコミ対策に追われると同時に息子の犯罪行為にも遭遇する。エリート意識を紛々と漂わせるのにはちょっと不快感も覚えますが、悩みながらも真っ直ぐ突きすすんでいく主人公には肩入れしてしまいます。
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