日本人の耳をひらく
聴覚がもっている不思議な力
傳田文夫
祥伝社
ネットで「耳をひらく」というキーワードで検索するとこの本の名前がヒットします。長いことそれを見ていたのですが、我々の間で使われた「耳をひらく」という言葉とは関係がなさそうだと深入りせずにいました。ところが先日知り合いからこの本をいただきましたので早速読んでみました。
我々の生活は騒音・雑音があふれている。それを無意識に聞いているが、改めないと・・・・といったことがわかりやすくていねいに説明されていました。それから日本語特有のリズムが日本人の音楽やらスポーツやらいろいろなところに影響を及ぼしていることも、この本の中の大きなテーマでした。でも文中に「耳をひらく」ということばが登場するわけではありません。どうやら「耳をひらく」ということばが著書の内容をうまく表す表題として使われたようです。
書かれている内容はなるほどなるほどと頷けることばかりです。でも私達にとって音楽する上で特別な意味合いをもっている「耳をひらく」ということばが全く違う理性的なところで使われているようで、どうしても違和感が残ってしまいます。
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