日別アーカイブ: 2008年7月7日

遺伝子組み換え

 少し気張って食糧問題です。先日のNHK「クローズアップ現代」は番組表では、
「食糧高騰に揺れる米国日本は」
との表題でした。帰宅して途中から後半部分を視聴しましたが、その内容はアメリカがバイオエタノール生産に数値目標を掲げたことがトウモロコシをはじめとする穀物価格の高騰を招いたことや遺伝子組み換え作物の作付け面積が急速に拡大(特にアメリカ)していることなどと取り上げていました。
 日本では抵抗の大きい遺伝子組み換えを避けての穀物輸入は今や困難になりつつあることを、映像を含めてわかりやすく説明してくれていました。ただ、遺伝子組み換えにより食糧増産効果もあった、1割ほど増えたというようなことも言っていました。聞き手であるアナウンサーの「しかし心配なこともあるのでは?(という趣旨)」の質問に大学の先生は、だから「輸入先を一国に集中するのは危険だ、多くの国に分散すべきだ」というようなことで締めくくっていました。
 確かに近視的には輸入先を分散することによって、それぞれの国情や気候変動のリスクを低減することができるのでしょうね。でも、このなかに本質的な議論がないように思ってしまいました。最近特に食糧自給率の低下が叫ばれ自給率を上げるべきだとの声もよく聞かれますし、私もこれは大切なことだと思うのです。自給というい観点ばかりでなく、遺伝子組み換えを避けるという意味でもできるだけ自給することがよいと思うのです。では、自給率を上げるためにはどういうことが必要なのでしょうか。日本の農家が米ばかりでなく大豆やトウモロコシを生産するためにはどういうことが必要なのでしょうか。輸入先の分散ではこういった問題の核心についての道を示していないと思うのですが。
(32.5k CT)