カテゴリー別アーカイブ: 音楽:山形の合唱

森の音楽会でのいただきもの

 森の音楽会で知り合った方から、この方とは別の南高OBが自費出版した「相対音感」という本をいただいた。


 この本は、機関誌か何かに連載のように書きすすめたものを、一冊の本にまとめたもののようだ。「相対音感」とは、絶対音感ということばに対してつくったことばなのだろう。平均律に対して純正律、聴き会うことでハモることができることなど、私たちが経験し感じ取ってきたことなどをていねいにことばにして書かれていた。どうやらその方の所属している合唱団の通信への連載をまとめたもので、団員の方達に少しでも聴き合って唱うハーモニーをわかってもらおうと書かれたもののようだった。

南高OBのCDの記録訂正

 上記CDの付属解説書に誤りがあります。些細なことではありますが、記録は正確な方がよいと思いますのでお知らせします。 Disc3の東京第3回より・東京第1回よりの会場がいずれも「東京青年会館ホール」とありますが、正しくは「日本青年館ホール」の誤りです。 このCD集の解説書(白黒印刷1枚のもの、表題に「山南OB合唱団BestCollection」とある)の裏面、収録の記録も同様な誤りがあります。またこの収録の記録で、第11回は1967(S47)11・15は1972(S47)11・15です。

南高OB その4

南高OBのCDがOBの手により製作された。1955年から90年代までの長い年月で蓄えられた録音を5枚組にまとめたものだ。私はこれをOBの紹介で入手した。CD作成に寄せた文章から、作成されたのは1997年か98年頃である。このCDの表装にはOBのメンバー、佐々木先生、森山先生の似顔絵が描かれている。そしてサブタイトルには、「~究極のハーモニーを求めて45年~」とある。分離唱をもとにどこよりも素晴らしいハーモニーを実現したという自信のことばであろう。私がテープで聞いた演奏がたくさん入っており、さらに先生の指導から離れられてからの演奏もたくさんはいっている。指揮者は佐々木先生の他、高校での育ての親の森山先生、南高OBの一人でありこの合唱団を長年指導をされ佐々木先生と深いつながりのあった田島さん、それから増田邦明(順平)さんなどである。プライベートの限定プレスであり売り切れとなったが、その後再プレスしたと聞いている。関心のある方は問い合わせてみてはどうだろうか。ただし、この演奏を聴くためにはモノラル録音をものともせず聴くことができることが必要だ。

南高OBCD

私の場合は、そうなるのにかなりの時間がかかっている。  CDのジャケット。タイトルは

「山南OB Best Colection 126」
~究極のハーモニーを求めて45年~

似顔絵の中央にいるのが佐々木先生、その左にいるのが森山先生と聞いている。

南高OB その3

不況の中で何とか職に就いた私は真っ先にオープンリールデッキを買った。そして始めたことは南高OBの録音のコピーである。私の友人Kさんは、先生の口から漏れ聞かれるアーチストや演奏に対し「聴いてみたい」という好奇心が旺盛で、数々の演奏を見つけだしては私にも提供してくれた。先生が「南高OB」といえばやはり「聴いてみたい」の一心で、先生のところにあるだけの録音を借りてきてくれた。そしてこれを2人分コピーしたのは私の仕事だった。何本かのテープのケースには先生の手で「要保存」とか「要永久保存」とか朱で書かれていた。1955年~72年の録音、72年以外は全てモノラル録音である。私はこの頃になってやっと南高OBの良さを実感できるようになった。特に1955年の第1回東京公演、61年の第3回東京公演、62年の山形での演奏会などは録音の古さを補ってあまりある素晴らしい演奏である。55年の演奏、これはハーモニーが素晴らしい。だからこんなにゆったりとした演奏ができるのかと思う。61年になると趣が変わってくる。ハーモニーから生まれたほとばしるような音楽性という気がする。この頃の南高OBの黒人霊歌は絶品だ。私はSPレコードのコピーやこの南高OBを繰り返して聞いてデッキのヘッドがすり減ってなくなってしまい、一度はヘッドの交換をしなければならなくなったほどだ。

南高OB その2

 練習における先生の話の中で、この合唱団の話は度々登場した。自分たちの合唱にもかなりの満足感があったためか、私の場合はこの団体への関心は特にもたなかった。しかし、この時期から関心を寄せ、先生から録音をコピーしていただいた団員Sさんがいた。わたしもこの方からコピーさせていただき、よく聴いた。Aさんが山形に聴きに行った1972年の演奏会、それからはるかにさかのぼる1963年の演奏会のものである。72年はステレオ録音、63年はモノラル録音であり、当時はどちらかというと72年の録音を主に聴いていた。特によく聴いて記憶に残っている曲としては、72年の「I’ve got six pence」や63年の「どんぐりころころ」などのリズム感あふれる演奏だった。これらの録音には私たちの合唱と共通するものを感じながらも、この時期の私は南高OBに特別強い印象を持っていたわけではない。

南高OB

先生と深い縁に結ばれた団体に、山形南高校OB合唱団がある。この団体については、私が詳しく知るところではないが、簡単に触れたい。この高校には佐々木先生の音楽教育に共鳴し、分離唱をもとにした音楽教育を生涯にわたって続けた森山先生がいた。在学中に分離唱による音楽の授業を受け、ここを巣立ったOBで組織された男声合唱団が山形南高校OB合唱団だ。先生はこの団体をいつも「南高OB」と呼んでいた。佐々木先生はわれわれの合唱団を12年ほど指導されたが、南高OBは20年くらい指導された。先生とは相思相愛の団体だったようである。高速道路もまだ十分には整備されていなかった頃であろうが、山形へも自身の運転で足を運んだということだ。この合唱団の演奏会が、私たちの団体を指導していただくきっかけになったことは以前にも述べた。時の違いもあり無理なことではあるが、この団体の生の演奏を「自身の耳で聴けていたらなー」と今でも思う。