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梨大1973.7.10小演奏会

標記の題で「大草原のヤス」さんが記事を書いています。

まるまる2ヶ月という大学の長い夏休みに入るとき、4月から夏休み前までの締めくくりのようにいつもの練習会場の教室での部内発表会が行われました。でも残念ながらその録音を聴く機会には恵まれていません。私たちの団体は混声合唱団でしたが、全体合唱の他男声・女声合唱、学年別の合唱、指揮者と正副パートリーダー(この人達を技術部門といっていました)の合唱、それから有志による男声カルテットなど、編成をいろいろと替えて、外部のお客様なしの内輪で楽しむ会でした。

以下のアドレス、ご参照ください。

http://naohana-batake.sakura.ne.jp/wp/2015/09/30/%EF%BC%97%EF%BC%93%EF%BC%8D%EF%BC%97%EF%BC%8D%EF%BC%91%EF%BC%90%E5%A4%8F%E3%81%AE%E5%B0%8F%E6%BC%94%E5%A5%8F%E4%BC%9A/

9月の合唱

国分寺の合唱がありました。

東京方面へ仕事できている度に合唱にもきてくれる梨大OBで名古屋在住のHさんが参加とのことで、私たちが佐々木家を訪問したときは早めの時間でしたがすでに讃美歌のハーモニーが響いていました。外から聴くハーモニーもまたいいものです。室内にはいると4人のハーモニーでしたが、これに私たちも加わってさらに讃美歌を続けました。

羊はねむれり
みどりもふかき
よしやよのひと
ああ主のひとみ
いつくしみふかき

さらに3名の方がみえて、今回はこれで練習スタート。S:3,A:3,T:3,B:2と今回は少なめの編成です。改めて分離唱から始めました。それからまずは讃美歌、

しずけきいのりの
かいぬしわが主よ
夕日はかくれて
ガリラヤの湖畔
主よこころみ
神ともにいまして
こころのおごとに
ひとたびはしにしみも
むくいをのぞまで
しずけきかわの

佐々木先生の曲集Ⅱから、

はるかに(この曲はひさしぶり)
雲雀

で、前半終了。

休憩時間にはいつものように男声合唱、

Adoramus te
今は若き子
夏の世の星
美わしの五月

練習後半は先生の歌集Ⅰから、

すすき
よしきり
光のお宮
われは幼く

Ⅱから、

緑の森よ

そして、

渓川したいて
からたちの花
森の教会堂
夏の夕べ

最後に讃美歌、

やさしくともをむかえよ

で、練習を終えました。

今回は遅れて入った方がいましたが、分離唱をせずにいきなり唱い始めると浮き上がってしまうところがありますね。「よく聴いてくださいね」「自分の声がしっかり聞こえてしまう場合はさらによく聴いて」と再三の指摘でまたハーモニーがよくなっていきます。やっぱり分離唱の時間が大切で、これをパスしたときにはとりかえすのが大変なのだなとも認識させられる練習でした。

終了後はせっかくソリストがいるのだからと、夕焼雲(Hさんは梨大でこの曲3代目のソリスト)からはじまり、増田順平編曲集「からたちの花」に載っている懐かしい曲を数多く味わいました。8月の合唱は9日でしたから、今回はあいだが7週間も空いてしまいました。やっぱり長い間隔を空けずに唱いたいな。

ティータイムにはこの夏開かれた私たちよりも5年以上も後輩の梨大合唱団同窓会(?)が話題になりました。佐々木家の方々はこの会に参加されたとのこと、5学年くらいの方が集まり私たちの同窓会よりさらに大きな集まりでたくさんハモったそうです、うらやましい。

 

 

6月の合唱

6月の国分寺の合唱がありました。今回は、S:4,A:4,T:3,B:3となかなかバランスのよい構成でした。
練習開始はまず分離唱から、しかしこれがちょっと・・・・。つづいて讃美歌の

しずけきいのりの
ガリラヤの湖畔

小首をかしげてしまうような状態は続き、指導のMさんもハーモニーの耳をどう喚起させようかと悩ましいようすでしたが、3曲目

主よこころみ

あたりからハーモニーが落ち着いてきました。こういったところの指導、さすがです。さらに讃美歌、

しずけき河の
神ともにいまして

と、ここまでは全てC-dur(ハ長調)の曲を続けました。こういう時にCの曲を続けるのには何か意図があったのかもしれません。さらに、

むくいをのぞまで
こころのおごとに
ひとたびは死にしみも
やさしくともをむかえよ

と、ここまで讃美歌。
それからこの日は佐々木先生の合唱曲集Ⅱを先に、

雲雀
うぐいす

で前半を終了しました4。

 

休憩時間にはしばらく歓談の後、男声6人ではありましたが男声合唱を

Adoramus te
今は若き子
いとしのクレメンタイン(これはまだ2回目で不安いっぱい)

 

後半は、

渓川したいて
からたちの花
緑の森よ
はるかに

先生の合唱曲集Ⅰから

すすき
よしきり
光のお宮
われは幼く
夏の夕べ

以上で練習を終了しました。

最初はどうなるかと思ったハーモニーもキチンと指導していただいて、「ああ、こんなに変わるんだ」と、感じられるのもうれしいことです。

練習終了、一旦解散となった後残った人たちでしばらく歓談、先日の梨大合唱団OB会の写真も見ていただきながらOB会にも話が及びました。

それから最後にまた20分ほど、また讃美歌を練習で唱わなかった曲を中心に唱いました。

みかみのめぐみは
みどりもふかき
わがたましいを
ささやかなる
われにこよと主はいま
ひくれてよもはくらく
しずけきいのりの
つかれしものは

以上、よくハモりました。

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今年は、「ハモる同窓会」①

毎年恒例となっている梨大合唱団OB・OG会が先日開催されました。今年は山梨県北杜市清里に会場を移しての開催です。何と言っても宴会場にグランドピアノがあること、そして窓は二重サッシでこの部屋が夜遅くまで使えるのです。「歌う同窓会にはぴったりの会場」と、ここに決めました。

さらに今年は恩師:佐々木先生の奥様と国分寺の合唱の指導者でもある娘さんにも参加いただきました。残念ながら先生のご家族は日帰り、そこで今年は「午後4時には唱いはじめましょう」とその時刻に集まったのがこの人数。いつもは集まったところで楽譜の差し替えをするのですが、今年はその時間を節約しようと楽譜の準備は終えてきたのです。このように座卓の上に小皿・箸・おしぼり・カセットボンベなどが並べられて配膳を待つ会場で唱いはじめました。
OB会2

はじまりはもちろん分離唱。そのスタートは佐々木先生の娘さんにリードをお願いしたのですが、まずは当時幼年だったMさんが国分寺の合唱では今指導者であることを紹介しました。分離唱の時間もいつもの指導に比べてたっぷり時間をとったように思います。そしてカデンツ。ウーン、なかなかいい響き。それから讃美歌を唱いはじめました。先生が梨大に見えて一番最初にやった讃美歌「ガリラヤの湖畔」、こうして曲になってもかつての響きを思い起こされるものでした。つづけて、

主よこころみ
しずけきかわの
むくいをのぞまで

ここからは用意した曲集を順に、

みどりもふかき
ゆけどもゆけども
しずけきいのりの
いつくしみふかき
つかれしものは
主よみもとに
かいぬしわが主よ
夕日はかくれて
ナルドのつぼ
神ともにいまして
みたまなるきよき神
こころのおごとに

OB会3

会場の配膳が始まりましたので、邪魔にならぬようにとこんどは庭に出て唱うことにしました。とにかく屋外でもどこででも唱った私達の合唱団です。お空の下で唱うのは最高です。ここで当時の学生指揮者:Oさんにリードを交替していただいて、まずは愛唱歌から、

夏の夕べ
ともに手をとり
元気に笑え
草原の別れ

代々唱い継がれた

光のお宮
よしきり
われは幼く

それから、

三匹の蜂
君を去りて
霜のあした
緑の森よ
青い小鳥

といったところ。

 

OB会1

同じ施設にこの日宿泊の若者の団体が前方の建物を出入りするのですが、そんな若い女性が数人玄関前の私達のところに向かって下りのスロープになっているところに座り込んで私達の合唱を聴いてくれたりして、こちらもちょっぴりいい気分。宴会開始時刻を30分ほどオーバーして約2時間唱ってしまいました。そして食事前に屋外で記念撮影。このとき既に参加予定21名中20名が集まっていました。

ところで、写真で皆さんが胸に掛けている白いものが見えますか。当時幼少だった佐々木先生の娘さんにメンバーの名前がわかるようにと、国分寺の合唱のメンバーでもあるEさんが名札を作ってきてくれました。当時は合宿というとこういう名札を用意して胸に掛けていたので、これもまた懐かしさも感じる先輩の粋なはからいでした。

OB会5

 

5月の合唱

5月の国分寺の合唱がありました。
今回は指導のMさんを除いて16人、S:4,A:4,T:4,B:4と人数でいえば理想的なバランスです。

いつものように分離唱からはいって、はじめの曲も讃美歌の「しずけきいのりの」。今回は滑り出しからなかなかいいハーモニーで、それから最後まで充実した練習ができたように思います。つづけて唱った曲は以下の通り。

讃美歌

しずけきいのりの
ガリラヤの湖畔
神ともにいまして
かいぬしわが主よ
やさしくともをむかえよ
こころのおごとに
ひとたびは死にしみも
むくいをのぞまで
しずけきかわの
みたまなるきよき神

すすき
光のお宮
よしきり

ここで休憩。ちょっと休んだのち、「今日は男性も多いから」と男声合唱。

Adoramus Te
夏の夜の星
今は若き子
うるわし五月に

「うるわし五月に」はなかなかよかったなぁ。
休憩の後は

からたちの花
渓川したいて
ひばり
うぐいす
夏の夕べ

以上のこの日の練習を終えました。ポリフォニーの「渓川したいて」、自分のリズムを数えていないと歌うところを見失ってしまいがちな曲ですが、でもだんだん様になってきました。もう少し慣れるとこれもまた充分にまわりを聴いて、味わいながら唱えるようになりそうな期待感も出てきました。
テナーのSさんは関西から東京に単身赴任でここ2年ほど一緒に唱ってきましたが、6月に地元に転勤が決まり、この合唱への参加は今回が一区切りとのこと。そこで「またあ~う 日まで~」の歌詞の「神ともにいまして」をみんなで合唱しました。これもよかった~。

全体が解散した後もしばらくお喋りした後Sさんも交えて小編成でまた唱いました。

美しき
空しく老いぬ
夕の鐘
ロッホローモンド
われは幼く
背くらべ
洗濯ばあさん

讃美歌

やさしくともをむかえよ
夕日はかくれて
みかみのめぐみは
みどりも深き
つかれしものは
すくいの主は
われにこよと主はいま
いつくしみ深き
ひくれてよもはくらく
ナルドのつぼ
夜はふけわたりぬ

送別の心もこめて、この日はたっぷりハモって散会しました。決して前に出てくる人ではないけれど、聴き合って唱う私達の合唱のお手本のような彼と、またハモりたいものです。

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12月の合唱

 12月の合唱がありました、2か月ぶりの参加です。中央高速利用ですが、衆院総選挙の影響か普段よりも行楽の車がかなり少なく感じました。休憩したサービスエリアの駐車場の車もいつもの半分くらい、帰りはいつも反対方向の小仏トンネルをあたまに長い渋滞があるのですが、今回はあまり渋滞がみられませんでした。

さて、合唱です。この日の参加はちょっと少なめ、S:4、A4、T:3、B:3、今回も名古屋のHさんが仕事の都合もあり参加してくれました。12月はクリスマスの月、この時期はクリスマスの讃美歌をハモりたいなと、12月の合唱ではそれを唱うのが恒例になっています。

練習の始めに指導のMさんから、「今日はあとでクリスマスの讃美歌を唱いましょうね。」と、そして始まりました。まずは分離唱、そして讃美歌。

しずけきいのりの
かいぬしわが主よ
神ともにいまして
やさしくともをむかえよ
夕日はかくれて
こころのおごとに

佐々木先生の合唱曲集から

すすき
よしきり
光のお宮
われは幼く

休憩時間には男声合唱を4曲、そして後半は、

渓川したいて
Lo, a voice
アヴェ・ヴェルム・コルプス
Gloria in Excelsis Deo
緑の森よ
雲雀

そして最後に約束通り(?)クリスマスの讃美歌

きよしこの夜
もろびとこぞりて
あめなる神には
神のみこはこよいしも
まきびとひつじを

以上で練習を終えました。この日は人数が少ないながらも最初からよいハーモニーで「なかなかいいな」と思いつつ唱いすすめることができました。最後に1月・2月の練習日を決めて解散。今年最後の合唱を終えました。

そして、残った少人数でしばらくのお喋りの後また唱い始めました、クリスマスの讃美歌。

あめにはさかえ
あらののはてに
いざうたえ
ああベツレヘムよ
ひつじはねむれり
まぶねのなかに
ひくれてよもはくらく
つかれしものは
すくいの主は
まきびとひつじを
エサイのねより
あめなる神には
神のみこは

というわけでよく唱いました。これらの曲の半分くらいは初めて、ちょっと聴いたことがあると言う程度で、

「これ、唱ってみよう」

という調子でいきなりア・カペラ。無謀というか何というか、でもこうして楽しめるのも多分分離唱の合唱だからこそ。よく唱いました、今回も。

 

9月の合唱

国分寺の合唱がありました。8月は台風がらみで欠席、2か月半ぶりの合唱でした。

霞む八ヶ岳出がけの駅のホームで八ヶ岳を一枚、この日の八ヶ岳は少し霞んでぼんやりと見えます。昨日は御嶽山が噴火、このあたりもわずかですが降灰があり、マイカーのボディーや草花の葉の上など朝起きてみると白くなっていました。

今回の集まりはちょっと少なめで、S:4,A:3,T:3,B:2という編成。バスがちょっと弱かったかな。

いつものように分離唱の後讃美歌。ここでは何故か一曲目はいつも「しずけきいのりの」。その後も讃美歌を数曲、そして「すすき」・「よしきり」・「光のお宮」・「われは幼く」「雲雀」。

休憩の後はいつものように男声合唱を3曲「Adoramus Te」・「今は若き子」・「夏の夜の星」。そのあと後半の練習が始まりました。

後半は、「鶯」・「緑の森よ」・「アヴェ・ヴェルム・コルプス」「Gloria」「渓川したいて」「ラシーヌ讃歌」。

今回は少人数のためかこじんまりした感じ、少人数で緊張するためか、少人数ながらなかなかよい響きが楽しめました。ちょっと歌いにくい感じのパレストリーナ「渓川したいて」もいつもより音や響きがわかったような感じがしました。そして最後の「ラシーヌ讃歌」、ア・カペラ曲ばっかり唱っているとピアノ伴奏曲に違った雰囲気を感じます。ア・カペラでは各パートの音との相対関係で自分の音が決まってくる感じですが、ここでは自分の音は必ずと言っていいほどピアノ伴奏に入っている。だから分離唱の延長のような変な気分です。ピアノを聞いて入れば自分の音が自然とわかってくる、そんな印象です。

練習終了後残ったメンバーで増田順平編曲集「からたちの花」から数曲唱いました。「青い小鳥」・「夕焼雲」・「かやの木山」・「からたちの花」なんていう感じかな。この曲集の編曲はお洒落で、学生時代に唱った曲の懐かしさと同時にいつも唱っている曲とはちょっと違った味わいがあります。そして最後にはまた讃美歌数曲、やっぱり讃美歌は自然に唱え自然にハモれる名曲です。

7月の合唱

国分寺、7月の合唱に参加しました。今回はS:4,A:4,T3,B4というなかなかの構成でした。いつものように分離唱のあと、

讃美歌

しずけきいのりの
ガリラヤの湖畔
こころのおごとに
ひとたびは死にしみも
むくいをのぞまで
やさしくともをむかえよ
ゆうひはかくれて

光のお宮
よしきり

ここで休憩、その間に男声で

Adoramus te
今は若き子
夏の夜の星

後半は

雲雀
うぐいす
からたちの花
ラシーヌ讃歌

このところ続けて挑戦している「雲雀」と「うぐいす」、ともに女声二部で始まって同様のデュエットが今度は男声ではじまる曲です。この二曲はかなり時間を割きました。「からたちの花」は五月の練習後に唱ってから6月そしてこの7月と楽譜を用意して練習時間の中で唱うようになりました。あらためて楽譜をみると3拍子と2拍子が次々に入れ替わって登場する不思議な曲です。私たちはかつてかなり唱い込んだ曲なのですが、初めてならかなり唱いにくい曲なのかもしれません。

練習終了後は残ったメンバー、まずは男声で、

美わし五月
聖なる心にのみ
明日まで

しばらくのお喋りタイムのあと、また讃美歌(混声)を歌い出しました。

みどりもふかき
すくいの主は
ささやかなる
しずけきかわの
つかれしものは

最後に「夏の夕べ」を唱って、残ったメンバーも散会となりました

5月の合唱

先週末、国分寺の合唱がありました。今回の参加者は少なめ、S:3,A:4,T:3,B:2という編成。少ないながらもなかなか楽しめました。

今回は一週間前にOB会で一緒になったEさんが初参加でした。私の3学年先輩、先生の指導を望みながら、先生の指導とはすれ違いに卒業された方です。合宿や演奏会には度々みえて、そういうときに集めた楽譜も相当な量、OB会ではそれを持ってきて見せてくれました。今に至るまで分離唱の合唱には強い関心を持ち続け、情熱を持ち続けている方でした。その先輩の影響もあり、今回は練習後に山田耕筰作品の増田順平さんによる編曲集「からたちの花」から次々と唱ってみました。

からたちの花
かやの木山
待ちぼうけ
青蛙

烏の番雀の番
曼珠沙華
この道
青い小鳥
電話

 国分寺の合唱では今までほとんど唱っていなかったのですが、唱いはじめるとすぐにそれぞれの曲の持つ独特な響きがよみがえってきます。懐かしさと同時に一曲一曲を味わうことができ、嬉しい時間となりました。

そして最後はやっぱり讃美歌、

ガリラヤの湖畔
ゆうひはかくれて
みたまなるきよき神

で締めくくりました。少人数ながらこれもよかったな~。

「素晴らしきハーモニー」

「素晴らしきハーモニー」

○○○○子

 四月のある日曜、四ヶ月ぶりに「みちのく」に参加した
私は、あまりのことにすっかり驚いてしまいました。この
素晴らしいハーモニー。これが本当にあの「みちのく」な
のだろうか。

 寒い日曜日、わずか十二・三名が幼稚園の狭い部屋
に集まり、古びたピアノをたたき乍ら分離唱。いざ合唱
という時、女声が五名たらずでしかも全員アルト、仕方
なくソプラノにまわりはしたものの自分のつたない声に
顔をしかめ、○○しいしい歌ったあの頃。そんな思い出だ
けを持っていた私にとって、広い講堂で五十名あまりの
人達がすばらしいハーモニーを生み出している光景は
信じ難いものでした。人数だけをそろえるのでなくて、み
んなの心がとけ合ってこそ始めてのすばらしいハーモ
ニーが生まれるという合唱の特殊性を考える時、日常
生活に対立や誤解がいかに多いかを、そして心を合わ
せることがいかに困難であるかを経験させられている
者にとって、この様な合唱が三ヶ月という短期間で行わ
れ得たということは何といってもすばらしいことだと思い
ます。今となってはその過程を-物事のはじめには必
ずつきものの様々な困難や苦悩-を体験する機会は永
久に失われたわけですが、あのささやかな灯火を守り、
これまで育ててこられたパイオニアの方々の合唱への
情熱と愛情、そして勇気に心から敬意と感謝をささげた
いと思います。

 又、このハーモニーの秘密は佐々木先生という素晴ら
しい指導者を得たことにあると思います。手品をいっしょ
うけんめいみつめている子供が自分の持っていたお菓
子がいつの間にか手品師の手にあるのをみてびっくりす
る様に、先生の話しを聞き手をいっしんに見つめ夢中で
歌っているうちに、生まれ出るハーモニーの美しさに驚
くといった具合です。そしてこのノートを手にして私は又
一つ、ハーモニーの秘密をみつけました。

「月光に照り映える薬師寺の塔を本当に美しい」と思い
「金よりも貧しい自分の心を豊かにして行こうという現在
の君が僕にとっての友なのである」といい
「ふる里の丘に離れがたい愛着と尽きぬ幸せを感じ」
・・・・etc

みんななんとすばらしい詩人たちでしょう
そして何と美しい心の持ち主たちでしょう

この美しい心から美しいハーモニーが生まれ出るのだと思い
ます。音楽の美しさをひたすら求め、この「美」の上にあるも
のを讃美し続けていきたいと思います。
六四・五・三一(日誌より)

みちのく第3号より