ひえつき節

甲府の姉宅を訪問すると前庭に梅の花が咲いており、そのとなりには黄色い花がやはり満開でした。この花を「サンシュユ」というそうです。この木も花が咲いてから葉が出るんですね。
サンシュユ

「この木がひえつき節の、『庭のさんしゅーの木に・・・・』のさんしゅー?」
「そうだよ。」

とのことでした。
帰宅してネットで調べると、宮崎地方では山椒(さんしょう)のことを「さんしゅ」と呼ぶとのこと、歌詞で歌われた時代にはまだサンシュユは日本に伝来していなかったとのことなどから、この歌詞の「さんしゅ」は山椒のことであろうとの記述がありました。ただし、この歌詞はずっと後世になってつくられたもの、だから「さんしゅ」とは「サンシュユ」のことという説もあるのだそうです。

稗搗節

庭の山椒(さんしゅ)の木 鳴る鈴かけて
ヨーオー ホイ
鈴の鳴るときゃ 出ておじゃれヨ
鈴の鳴るときゃ 何と言うて出ましょ
ヨーオー ホイ
駒に水くりょと 言うて出ましょヨ
おまや平家の 公達(きんだち)ながれ
ヨーオー ホイ
おどま追討(ついと)の 那須(なす)の末ヨ
那須の大八(だいはち) 鶴富(つるとみ)捨てて
ヨーオー ホイ
椎葉(しいば)立つときゃ 目に涙ヨ
泣いて待つより 野に出て見やれ
ヨーオー ホイ
野には野菊の 花盛りヨ

ここで歌われている内容は、
源平の戦いに敗れた平家の落人が椎葉にたどりつき、土着して平和に
暮らしていた。そこに平家の残党の追討を命じられた那須の大八が赴いた
が、平和な暮らしをしている人々に対して争いはせず一緒に暮らした。
やがて平家の血をひく鶴富姫と恋に落ち子が宿る。そんなとき那須の大八
には鎌倉から帰還命令が。そして悲しい別れ・・・・
そんなところですね。

私たちも佐々木先生のもと、学生合唱団でこの曲を唱いました。長年聴き続けてきた山形南高OB合唱団の男声合唱の中にもこの曲がありました。今ではネットで語り部ならぬ唄い部の唄を聞くこともできますね。でも、私たちが馴染んだものはネットで聴くことのできるひえつき節とは節回しが随分違います。歌詞は一番、二番、四番と唱っていました。南高OBの男声のハーモニーをバックにTさんのソロできいた美しい合唱版のひえつき節、好きだな。
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