ピアノの調律

我が家にもピアノがあります、アップライト・ピアノ。弾く人がいないまま長年が過ぎてしまったのですが、3年前からピアノを習い始めました。まさに「60の手習い」、全くの初心者です。そこでこの度、10年ぶりくらいに調律してもらうことにしました。

予約の日、調律師さんが我が家に見えて前面の黒い板を外して作業を始めたのですがそこで問題発生。弦を弾いた鍵盤が元に戻るためのバネ、それをハンマーとつなぐ細い糸があるのですが、これが長年の劣化で次々と切れ始めているとのこと。結局この糸を全部取り替えることになり、予想外の時間を要することからまた日を改めてということになりました。

 そして約束の日、作業が始まりました。どのように作業が進むのか、私も興味津々です。

調律1

 まずは鍵盤の数だけの短い糸を必要な長さに切りそろえます。前板を外した後、ねじを外してハンマーを次々と外していきます。変色し劣化してしまった糸を外し、糸を固定していた部分に溶剤を流し込んで接着剤を溶かし、取り残しの糸端を金具でほじり出します。

調律3糸端を外した溝に接着剤を少量落とし、新しい糸を接着していきます。

調律4

糸を装着した木片をハンマーに取り付け、バネにかませ、本体に取り付けていきます。全部付け終わったところでハンマーの位置を微調整。

調律5

 そしていよいよ調律です。中音域の弦にフェルト状のベルトを押し込んで、一音につき三本ある弦の内両端弦が振動しないようにしておいて、中央の弦だけの音を調整します。最初はA(アー)の音、音叉の音に合わせていきます。そこから上下に広げて(多分)一オクターブの音の調正、今度は音叉の音が基準ではなく、合わせたAの音を基準にしての作業。次は中央部から高音部へ音の調整を広げていきます。ここでは一つの音の三本弦のうち二本を木製風の道具で押さえてまずは一本の音合わせ、それがすむと隣の弦を同じ音に調整、さらにもう一本もと三本弦を続けて調整してしまいます。低温部は二本弦さらに低いところは一本弦、弦の数が少ない分作業がはかどります。そして最後、中音域の左右の弦が振動しないように挟んでおいたベルトを順次外しながら音を合わせた中央弦に合わせていきます。

 と、まあこんな説明で間違いはないのかな。

合間にはいろいろと調律師さんに聞いてみました。

「今は、全ての音を出すチューナーがあってそれで調律というのもあるんではないですか?」
「そういうのもありますよ、でも私は和音をたたきながら調律しますし、その方がよいと思っています。」

「聴いて聴いて」の音楽で育った私たちとしては、こういう調律師さんでほっとします。長年ほったらかしていたピアノ、調律をしても元の音に戻ろうとして、高音部の調律をしている間にもその前に行った中央部の調律した音が戻り始めているとか。調律は基本一年に一回ですが我が家のピアノは半年後に調律した方がよいのだそうです。これからは心改めてメンテナンスをしてあげようかな。

(8.8k)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>