表記のコンサートを聴いてきました。20歳代半ばのシンガーソングライターの大野さんがトークを交えながらピアノとギターを使い分けての弾き語りでした。軽妙でサービス精神旺盛なトークと歌で聴衆を惹き付け、後半には多分これがメインだと思われる14分ほどの長い曲がありました。「22歳のノート」という曲だったかな、7年前に亡くなったお母さんを中心にして家族のことを織り込んだ歌でした。そういう家族のことを話した後でこの曲を歌ったのですが、歌詞を追いながら聴いていると思わず涙ぐんでしまいます。会場もシンと聴き入っていました。
私はこういったソロのコンサートは多分初めての経験です。どんな感じなんだろうと興味津々で聴きに行ったのですが、大野さんの歌の世界にどっぷりとつかることが出来ました。しかしちょっとだけ注文をつけると、きれいで伸びやかの声で歌い上げる歌はすごいなと思うのですが、同時に現代の音響機器による音響効果を聞いているようにも思えてくるところがあります。そしてこの音響効果がその人の感性をヴェールに包んでしまって見えにくくしてしまうようにも思うのです。マイクを通した歌を聞きなれない私は、音響効果のないもっと裸の歌を聴きたいと思ってしまいます。下積みの頃はストリートライブをやっていたそうですが、そんな歌を聴いてみたいなとも思ったコンサートでした。