NHKに「生きもの地球紀行」という番組があり、子どもが小さい頃よく一緒に観た。この主題歌が印象的で、子どもも自然に覚えてしまった。たまたまこのサウンドトラック盤「BELIEVE~生きもの地球紀行サウンドトラックⅢ」というCDを知り合いに貸して頂き、わが家のオーディオで聴いてみた。「生きもの地球紀行」という番組、なかなかよい印象をもっている。しかしこのCDをかけてみると以前の印象とはだいぶ違っていた。多くの楽器の音がするのだが、多くの人が一つの音楽を作り上げている人間臭さのようなものを感じない。この感覚は何だろうと思いながらCDの解説書を読むと、演奏者の名前がない。指揮者も楽団もピアニストも書かれていない。あるのは
Produced by RYUICHI SUGIMOTO
ということだ。私はこういうことは詳しくないのだけれど、これってシンセサイザーということなんだろうか。最近よく目にするMIDIというものなのだろうか。
電子音楽だとすると、こういう分野が音楽会で認知されてきたという証でもあるだろう。しかし、家族そろってみているNHKの動物番組の背後で人間の演奏ではなく電子楽器を駆使して作り上げた音楽が流れ、そしてその音楽を映像とともに見て「ああ、いい曲だな」なんていうふうに私たちの心に入り込んでいる。映像の背後で視聴者の無意識下にこんな音楽を流していることに私は抵抗を感じてしまう。
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