リンゴ農家・木村秋則さん

 今日のNHKテレビ「プロフェッショナル」について、毎日新聞の以下の予告があった。


   青森の農家・木村秋則さんが作るリンゴは、腐らないことで評判を呼んでいる。木村さ
  んは日本で初めて、農薬に頼らないリンゴ作りを成功させた。リンゴ作りの哲学は「育てな
  い、手助けをするだけ」。リンゴの生命力を引き出すために、畑をできる限り自然の状態に近
  づける。そこには、人と自然の魂の対話がある。木村さんの農業指導を通して、農業と人に
  対する愛情と情熱に迫る。


 希望通りこの番組を見ることができた。「プロフェッショナル」では初めて農業を取りあげたそうだ。若い頃大規模な科学的栽培を行っていたが、健康への影響もあり、そんなとき出会ったのが福岡先生の自然農法の本だったそうだ。この本を何十回読んだか知れない、「これでリンゴをつくろう」との強い決意で始めた自然栽培が実をつけるまでに8年かかったこと、その間の苦しみなどを紹介していた。そんな苦しい日々の話は、以前見た川口由一さんの自然農法の番組でも紹介されていた。自然農法に取り組む人たちの強さには本当に驚かされる。「すごい人がいるんだなー」という思いで最後まで見た。

 番組紹介にもあったが、木村さんのリンゴは腐らないそうだ。ここのリンゴを料理に使っている東京のシェフもそういっていた。スタジオに木村さんが登場したが、そこに2年前のリンゴが皿にのって出てきた。やはり腐らずにしぼんで、スタジオの聞き手は「お菓子のようだ」と言っていた。

 私の友人のお母さんはみかんの有機栽培に取り組んでいて、毎年そのみかんを送ってくれる。みかんの皮はあざだらけだが味が濃く、そして長持ちする。市販のみかんはすぐ腐ってしまうのだが、このみかんは日が経つと皮がしぼんできてしわしわになり、さらには外皮が薄くなってピタッと貼り付いたように固くなる。しかしその皮をむくとみずみずしいみかんが味わえる。友人のみかんはこんなふうに何ヶ月も味わうことができるのだが、リンゴが長持ちするのもこれと同じなのだろうか。自然のみかんは、もいだ後もこのようにして呼吸をし、しぼんでいって内の生命を守っている。もいだ後もみかんは生き続けていると思うのだが、自然のリンゴもきっとそうなのだろう。

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