ブログはじめます

私は学生時代に特殊な合唱を経験しました。「分離唱」という音感訓練を行い、聴きあって唱うことでハーモニーを実現しようというものでした。そんな遠い過去を思い出しながら、思いつくままを記してみたいと思います。

ブログはじめます」への2件のフィードバック

  1. 遠坂康郎

    1973年3月に「梨大合唱団を卒業」した者です。同級の伊東まゆみさんに紹介されたことがきっかけで、佐々木先生の分離唱に導かれた合唱音楽の尊い価値の虜になってしまいました。伊東さん等当時の合唱団役員と相談しながら、佐々木先生のご指導を合唱団に導き入れたいと熱心に働きかけ、単発的ながらも先生に御来甲いただき、音楽科の階段教室で実施した講習会の様子が脳裏に焼き付いています。それ以前に分離唱の効果にショックを受けたのが、合唱団役員数人で高田馬場にあった先生のご自宅を訪ねたときです。「騙されたと思ってやってごらん」という先生の言葉に導かれて、先生が叩くピアノの和音の響きに自分の声を溶け込ませるように耳を澄ませて、その後三声に分かれて発生したとたんに生まれてきた妙なる響きは新鮮でした。
     音楽科の教室を借りた合唱講習会に続いて、私が甲府を離れる直前に愛宕山の麓、護国寺の近くにある施設で行った春合宿での佐々木先生のご指導までが残念なことに私の在学中に受けることができた先生のご指導でした。卒業後は、河口湖での夏合宿、東京公演、定期演奏会が、先生のご指導にお目にかかれる数少ない貴重な時間となってしまいました。
     卒業後、「仕事と趣味は別物」と嘯いていた私ですが、大手電気メーカーに入社すると一人前の技術者として通用する自分を確立するために滅茶苦茶に時間を拘束される生活に入ってしまいました。
     佐々木先生のご指導に対して、音楽専科の合唱団メンバーは自分たちが誇りを持って受けている音楽専門教育が否定されるような佐々木先生の言葉に自尊心が傷つけられたのでしょう、いささか反目的だったなと、寂しい気持ちを抱いた記憶があります。
     現在私の妻も音楽科の学生の一人だったので、例外に漏れなかったのですが、結婚して間もなく「佐々木先生にピアノの指導を受けてみないか」と勧めてみたところ、同意してくれ、時間が取れない私に代わって、国分寺に移られた先生のご自宅へしばらく指導を受けに通いました。先生から「奥様のピアノずいぶん良くなりましたよ」と書かれたはがきをいただきました。

     佐々木先生が亡くなられて久しくなりました。ブログ「すすき」を以前にも読ませてもらいましたが、あらためて少し時間をかけて読ませてもらいました。分離唱によって耳を開かれた人たちが創り出す音楽は素晴らしく尊いものですね。社会人として時間に制約のある中で、数は少ないですが幾つかの合唱サークルに入り、この素晴らしさを何とか伝えたいとトライしてみましたが、少ないけれども共感してくれる人もいる一方、疑心暗鬼が多いですね。中には、「山梨大学合唱団なんて聞いたこともない。あんたのいうことは信じられない」と暴言を吐く人もいて、甚く心を傷つけられました。
     「すすき」に書かれた文章を読んでいくと、同じではないにしても、似たような想いをされた経験もあったかのように感じました。
     山田耕筰作品に秘められた日本的情緒、増田順平先生は、その日本的情緒を、分離唱を通して培われたハーモニー感覚で見事に開花させた合唱作品を創っておられます。
     短いけれども佐々木先生から分離唱を教えていただき、現在増田先生の直接のご指導のもとで合唱ができる自分は大変幸せだと思っています。
     だらだらと長くなってしまいました。また、次に書かせてもらうかもしれません。
    <追伸>「すすき」の記事、長年の蓄積はもちろんのこと、取材活動も含めものすごいエネルギーに感心しました。この原動力はきっと佐々木先生が残してくださった偉大な力だと思います。

    返信
    1. すすき 投稿作成者

      遠坂様

       熱いコメントをありがとうございました。おかげで佐々木先生を正式に指導者としてお願いする以前のこと、先輩の方々の情熱やエネルギーあふれる活動を初めて知ることができました。「長くなって・・・・」なんて遠慮なさらず、私たちの知らなかったこと、先輩の目で見た分離唱の合唱の印象など是非またコメントをお寄せください。
       できることでしたら、奥様の佐々木先生から受けたレッスンの印象などもうかがいたいです。

      返信

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