「青狼記」

青狼記「青狼記」
楡周平
講談社

 大陸(多分中国)で奉金・華漢・宋北・湖朝・楽天の五国が乱立していた。その最も弱小国:楽天は特産の溶光石の各国への供給を戦略的に巧みに供給する事で生き延び、一番の大国:奉金との間で盟約を結び国の存続を図る。その盟約に楽天は忠英、奉金は春申という双方の士族の鑑・国の宝と言われるほど臣・民から信頼と尊敬を集める高官を人質として差し出す。父の後を継いだ忠英の子:趙浚も父同様に国・帝への忠誠を貫き功績をあげていくが、そんな趙浚に対する処遇は大変冷たいもの。
権力者の欲望・身勝手さ・疑い深さの中で義を貫く趙浚の物語。この物語の中で火薬が誕生し戦の仕方に大変革が起こるところ、更にはこの火薬が国主に野望の火を灯してしまうのも面白い。

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