「幾世の鈴」

 

幾世の鈴「幾世の鈴」
~あきない正傳金と銀 特別編下~
高田郁
角川春樹事務所

 11冊で完結した「あきない正傳金と銀」のスピンオフ的短編四話を収録。五鈴屋八代目徳兵衛となっている周助が元主人の店:桔梗屋の再興を決意するまでを描く「暖簾」。幸のよき相談相手であり女でありながら幸同様に商売に工夫を凝らし簪等を商う菊栄が幸が江戸を去りながらも更にたくましく商いの道を歩もうとする姿を描く「菊日和」。夫婦で江戸を追われたどり着いた播磨の国で宿を営み、姉の幸への頑なさを徐々に和らげていく妹の結を描く「行合の空」。五鈴屋九代目で幸と夫婦になった賢助が店を揺るぎない次の百年につなげようと工夫を凝らす「幾世の鈴」。

シリーズ最終巻はまだ続編が出るのではと期待も持たせるような終わり方でしたが、「幾世の鈴」でようやくはっきりと終わりを告げたような印象です。「あきない正傳金と銀」というタイトルもこのお話で頷けました。

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