日別アーカイブ: 2009年10月8日

山形紀行⑦-ミスター南高OBに会う

私は自称「山形南高OBの熱烈なファン」です。もう30年以上も南高OBの録音を聴き続けてきました。

ファンでいると自ずと耳に入ってくる情報もあります。山形南高OB合唱団が佐々木先生・森山先生の情熱の結晶であったのでしょうが、同時に平素の練習を支え続けた指導者の存在があったことも忘れてはなりません。私たちの所にもそのTさんという名前、南高OBの似顔絵のこの人とか、稗搗節あの上手なソロを歌った人とかいうことが伝わってきています。かつて佐々木先生を通してこの方の住所をお聞きし、ガリ版刷りの山形南高OB男声合唱曲集1~7集をコピーさせていただいたこともあります。

 そのTさんに会わせていただけるということでも、この山形行きを楽しみにしてきました。Fさんの大先輩にもあたるTさん、Fさんにコンタクトをとっていただき自宅を訪問させていただくことになりました。今は南高OB合唱団から身をひいているTさんですが、現在はチェロを習ったり数人で男声合唱をしたり、音楽への情熱は今も衰えることはないようです。初めてお話をしたのですが、決して話し声が高いわけではなく、しかし響きのある美声の方でした。OBを代表するトップテナーのはずですが、話し声からはわからないものですね、こういう方は音域が広く何でも歌えるのでしょう。
南高OB似顔絵南高OB合唱団合唱曲集第4集表紙

南高OB発足の頃のこと、佐々木先生のこと、海外の合唱団のことなど幅広いお話を伺うことが出来ました。佐々木先生の南高OB通いも演奏会直前に何泊かして集中的に指導されたそうです。東京の先生宅にも頻繁に訪問され心を通わせた様子でした。ガリ版刷りの楽譜の表紙を飾ったOBの方々の似顔絵(これは南高OBのCDジャケットにも使われました)は、OBの作品ではなく依頼して描いてもらったものだそうです。「南高OBの全盛時は聴衆がホールに入りきれず、ホール聴衆席へのドアを開け放って外にも聴衆がいた」なんていう話を聞いたことがあるのですが、そのことに話を向けると、「うん、当時の会場は狭かったからね」「みんな若さで(チケットを)売ってしまったからね」とのこと。決して誇張ではなかったようです。
私にとっては憧れの合唱団でしたが、直接かかわった人に話をきくと生身の人のつながりが感じられ、この合唱団も随分と親近感のわく存在となってきました。