日別アーカイブ: 2006年3月23日

またおうひまで

讃美歌は佐々木先生の指導を受けるようになった私たちの合唱団のレパートリーであった。やさしくてハモリやすく美しい曲がいっぱいある。これらの曲は先生がみえるようになってから覚えたものだ。ただし1曲だけそれ以前から団の愛唱歌に入っていた曲がある。「神ともにいまして」だ。「讃美歌の最後はゆっくり伸ばしてハーモニーを感じる」そんな歌い方を当たり前のようにしていたのだが、先生の「神ともにいまして」は最後をスタッカート気味にしてサッと終わる。そんなところにも先生の音楽に新鮮な感動(すこし大げさか)があった。

この曲の中に「また会う日まで」という歌詞がある。それまで「またあうひまで」と唱っていたが、先生は「またおうひまで」と唱いなさいという指示だった。現代の教育を受けた私たちにとってはどう考えても「またあうひまで」なのだが、先生の音楽では「またおうひまで」なのだ。そしてそれを当時の私たちはそのまま受け入れた。このあたりからも、団員の先生への信頼の度合いがわかってもらえるのではないか。もう音楽的には、先生は絶対的存在だった。